内容説明
身寄りの子どもたち十五、六人と暮らす孤児・信太。物乞い稼業で糊口をしのぐ毎日だ。だが、どうしても実入りのなかった日、信太は一緒に物乞いをするおみきさんに連れられ、〈えにし屋〉を訪ねる。信太たちを出迎えたのは、お初という妖しくも美しい女。一方同じ頃、三十路を過ぎと見える、やけに疲れ果てた夫婦もお初を訪ねていた。五年前行方知れずとなった一人息子を探してほしいという。今になって何故。二組の客になぜか心を揺さぶられるお初。つなぐも切るも容易ではない縁(えにし)。真剣に扱うならなおのこと――。人生の光と影を描く、身も心も震える傑作時代長篇サスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
156
この道は何処へ続くのだろうねぇ。息をするのも苦しいのに。一人の女の真実が身体中から押し出される時、人の堕ちる闇がそこここに溢れ出して・・ヒリヒリするこの感じはあさのさんの世界だ。〈えにし屋〉シリーズ第二弾!どんどん引き込まれて読んだ。結ぶも切るも縁故に・・あぁ、もっと読みたい。お初に逢いたい。2023/07/05
初美マリン
97
心の奥にひそみ自分でも気づかない傲慢さなどが事件の背景にある。なるほど作られた女性が主人公なのは面白い。これからも子供たちの成長を横糸にシリーズ化するのでしょう、楽しみです。2024/06/28
タイ子
90
シリーズ第2弾。久しぶりに読んだら一作目の記憶がなかなか蘇らず。。。人と人のいろんなえにしを商売にする<えにし屋>妙にあだっぽいお初と親分の才蔵の二人。物乞いのおみきが信太とえにし屋を訪ねてくる。そこに訪れた夫婦が5年前に生き別れになった息子を探して欲しいと依頼。行方不明だけではなく他に何かがあると感じたお初は調べ始める。そして明るみになる数々の真相。子供という大切な宝を勝手に大人の都合で振り回すんじゃないよと思いながら、えにし屋に預けられた信太が愛おしくなってくる。子供たちの未来に光が差すことを祈って。2024/01/26
itica
86
人と人の縁を取り持ったり、逆に断ち切るのを生業とする「えにし屋」第2弾。中心人物となるお初についてすっかり忘れていて、そういえばお初は○○だった!とようやく気付く始末(笑)。前回は短編連作だったが、今回は丸々一冊、5年前の火事で行方知れずとなった我が子を探してほしいという依頼で動くお初。ふたを開ければ複雑な事情が絡み合い、とんでもない事件へと繋がって行く。えにし屋は今で言うところの探偵業に近いな。お初の推理はお見事。 2023/09/26
はにこ
61
今回の依頼は行方不明の息子を探すというもの。その偵察をしていた女が死ぬ。この事件に隠されている背景が壮絶だった。あの子が息子かなーっと思ったけど、そんなには上手くいかなかった。夫を裏切った妻悪いなぁと思っていたけど、さらにもう一枚。さすがあさの先生。上手ですね。2025/02/11
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