ブラジャーで天下をとった男――ワコール創業者 塚本幸一

個数:1
紙書籍版価格
¥2,090
  • 電子書籍
  • ポイントキャンペーン

ブラジャーで天下をとった男――ワコール創業者 塚本幸一

  • 著者名:北康利
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • プレジデント社(書籍)(2023/06発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 570pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784833425025

ファイル: /

内容説明

【内容紹介】
インパール作戦の生き残りが選んだ次の武器、それは女性下着だった!

太平洋戦争は多くの悲劇を生み出したが、数ある激戦の中でもとりわけ悲惨なものとして知られるのがインパール作戦だ。世界有数の女性下着メーカーとして知られるワコールの創業者、塚本幸一は、この作戦の生き残りであり、多くの戦友を失った心の傷は生涯消えなかった。

かつてこの国は、今とは比較にならない男尊女卑の国であった。男が産まれると喜び、女が生まれると露骨なほど落胆を見せた。家長はもちろん、国を支えるのは男であり、女はそのしもべのような扱いを受けた。だがこの国を破滅させたのは、国を支えるはずの男だったのだ。

銃後を守る女性たちに「贅沢(ぜいたく)は敵だ!」と忍耐を求め、頭にパーマなどかけようものなら「非国民!」とののしった。「産めよ増やせよ」と子作りを励行し、その子どもたちを次々に戦場へと駆り立てては、物言わぬ白木の箱に入れて帰した。その果てが無残な敗戦である。

(真の平和とは、女性の美しくありたいと願う気持ちが自然と叶えられる社会であるはずだ)
そう確信した彼は、女性のために女性とともに、ビジネスの世界で再び戦いを挑んでいった。

磁力のような人間的魅力で優秀な仲間や“伝説の女傑(じょけつ)”たちを集めると、ライバルを蹴散らし、日本に上陸したアメリカ企業を手玉に取り、成長の糧(かて)にしていった。わが国最強の商人集団である近江商人の血を引く彼は、失った命を力に変えて、ビジネスという戦場で思う存分暴れまくったのだ。

そして彼の活躍の場は、業界の垣根をも越えていった。父のように慕った“経営の神様”松下(まつした)幸之助(こうのすけ)と政治の世界にもの申し、弟分であった京セラの稲盛(いなもり)和夫(かずお)と力を合わせて京都を盛り上げ、盟友であるサントリーの佐治(さじ)敬三(けいぞう)とともに、新たな文化を築き上げた企業こそが尊敬に値するのだと怪気炎を上げ、重厚長大企業が幅をきかせる財界に下克上を挑んでいった。

熱い、どこまでも熱い。そんな熱い男のベンチャースピリット溢れる豪快華麗な生涯を描きだす大型評伝、ここに誕生!
【著者紹介】
[著]北 康利(きた・やすとし)
昭和35年12月24日、愛知県名古屋市生まれ。富士銀行入行。資産証券化の専門家として富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末にみずほ証券退職、本格的に作家活動に入る。著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞)『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』(以上講談社)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』『小林一三 時代の十歩先が見えた男』『稲盛和夫伝 利他の心を永(と)久(わ)に』(以上PHP研究所)、『陰徳を積む 銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『胆斗の人 太田垣士郎 黒(クロ)四(ヨン)で龍になった男』(文藝春秋)、『乃公出でずんば 渋沢栄一伝』(KADOKAWA)、『本多静六 若者よ、人生に投資せよ』(実業之日本社)などがある。
【目次抜粋】
プロローグ
第一章 復員兵ベンチャー起業家
第二章 男の戦争、男の敗戦
第三章 ブラジャーでビルを建てた近江商人
第四章 相互信頼の経営
第五章 アメリカに商売を教えてやる!
エピローグ 霊山観音
あとがき
塚本幸一関連年譜
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TATA

33
ワコールの創業者、塚本幸一さんの評伝。過酷なインパール作戦を生き残り、強い信念をもって優れた経営者に。山あり谷ありなんだけど、まあいいことが多いのでどうしても日経の「私の履歴書」を読んでいるような印象。戦後、日本メーカーの成長を支えたものはこういった戦時体験をもとにした信念と覚悟だったのかと感じる。ワコールは男性諸氏にはなかなか縁遠い会社なんだけど、読後、なんかないかなと同社ホームページを覗いてみる。うーん、いやあ、やっぱりちょっとムリかなあ。2023/12/03

Meme

14
先機を制すに重きを置くマインドに心惹かれます。いま違法とされる手段の歴史的背景も見えたような気がしています。グレーゾーンにおける戦い方は、何を優先するかで決まり、必ず失うものはあるという覚悟が必要なんだと感じました。塚本さんの場合、段階的に視野を広げていくのではなく、やはり広がっている視野に自分のピントを合わせていく生き方なんだと思います。人の人生をリアルに味わってみたいと思うほどに老いてきたかもしれません😅2023/09/04

うちこ

8
稲盛和夫さんが亡くなられたときにヨガの先輩がいくつか本を貸してくれて、そこに登場した塚本さんの自伝を読んだことがありましたが、この本はキーパーソンとなった女性社員への取材から書かれた内容もあり、過去ログの寄せ集めじゃない充実の内容です。 興味深かったのは、塚本さんが初年兵教育隊に総務経理担当として出向していたときに兵士の屎尿を売るビジネスを始めていた話。栄養価の高いものを食べる兵士の屎尿を周囲の農家が肥料に買いに来ていたそうです。この話のあとにインパール作戦の話になります。ドキドキハラハラする展開です。2023/09/01

ビーグル犬大吉

5
戦後、女性の下着の時代が来ると予感し、世界のワコールを一代で築いた塚本幸一の物語。ただ、インパール作戦に従軍し、生存者55人中3名という厳しい戦況の中、下士官に過ぎなかった塚本が生き残れた理由がわからなかった。それこそが、もっと深く知りたかった。ダイエーの中内功や平和堂の夏原平次郎も復員後、起業したことに共通点がある。かつて上官だった藪中謙二をクビにした時は溜飲が下がる思いだった。無能な人間が戦場で指揮を執っていたから多くの兵士が犠牲になったと思うと今も怒りが収まらない。財界人との交友録も興味深かった。2024/02/15

都人

5
塚本幸一氏のイメージはブラジャーというよりパンツの方がと強いと京都人は思うが、それは当時の京都府知事蜷川虎三氏が彼を「パンツ屋」と呼んだからだ。京都商工会議所会頭時代の塚本氏には何回かお目にかかった事がある。滋賀県生れだとばかり思っていたが。2023/09/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21335032
  • ご注意事項