文学の扉<br> 水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ

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文学の扉
水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ

  • ISBN:9784065319949

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内容説明

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「映像を見ていたわたしは、あっ、とおどろきました。たちこめる霧のむこう、水平線のかなたに見えるのは――戦艦アリゾナだったのです」
ロイス・ローリーが、自身の映ったホームビデオをよく見ると、
真珠湾攻撃で撃沈されることになるその艦が、映り込んでいました。

真珠湾と広島の人々の生きざまを描写し、その時何があったのかをわたしたちに突きつける、41の詩。
ニューベリー賞を2回受賞した著者が、日本にも住んだことのある自らの経験を織り交ぜながら、
敵味方なく戦時下で実際に生きた人に想いをはせ、つむいだことばの数々。

「人間のつながり」をテーマに長年書き続けてきた、稀代のストーリーテラーが、
初めて詩のかたちで、若い世代へ「互いを大切にできるかどうかが、我々の未来を決定づける」というメッセージを伝えます。

小学3年生以上の漢字にルビがついており、やさしく読める内容です。
かざらないことばで「人」に焦点をあてて、見えてくる戦争について、子どもも大人も一緒に考えてみませんか。
ぜひ今、読んでいただきたい1冊です。
(ニューベリー賞:アメリカで出版された児童文学作品の中で、もっとも優れた作品の著者に送られ、児童文学賞の中でいちばん長い歴史を持つ賞)

●著者紹介
ロイス・ローリー
1937年ハワイ生まれの児童文学作家。アメリカ陸軍の歯科医だった父について各地を転々とし、1948年からの2年間、11才から13才までを日本で過ごした。現在はメイン州在住。1990年に『ふたりの星(Number the Stars)』(童話館出版)、1994年に『ギヴァー 記憶を注ぐ者(The Giver)』(新評論)で、ニューベリー賞を二度受賞する。「ギヴァー」は大人気シリーズとなり、世界累計1200万部を超える。他にも『モリーのアルバム (A Summer to Die)』『Windeby Puzzle』など多数。

ケナード・パーク
アートディレクター、画家。ドリームワークスやウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ等で仕事をし、多くの児童書を執筆する。『Goodbye Autumn, Hello Winter』でゴールデン・カイト賞を受賞。

田中奈津子
翻訳家。東京都生まれ。東京外国語大学英米語学科卒。『はるかなるアフガニスタン』が第59回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に、『アラスカの小さな家族 バラードクリークのボー』『わたしのアメリカンドリーム』が厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に選ばれている。翻訳は他に『こちら「ランドリー新聞」編集部』『ぼくたち負け組クラブ』『橋の上の子どもたち』(以上、講談社)など。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

82
戦争関連本。『ギヴァー記憶を注ぐ者』のロイス・ローリーが自身の幼少期の思い出を語る▽水平線は続いている[Part1.水平線のかなたに]1941年12月7日(日本時間12月8日)、日曜日の早朝、日本の戦闘機がハワイの真珠湾を攻撃した。戦艦アリゾナは沈み1177人の兵士が犠牲になった。兵士ひとりひとりの物語がある[Part2.もうひとつの水平線]1945年8月6日午前8時15分、1機のアメリカの爆撃機が広島に原子爆弾を落とした。1945年末までにおよそ14万人が死亡した[Part3.]緑色の自転車の少女▽良本2023/08/12

ちえ

46
深く考えさせられる。幼い頃ハワイで暮らし1948年から2年間家族で日本に住んだ作者による小さな41の話。子供の時父親がワイキキの浜辺で撮ったビデオには、真珠湾攻撃で沈んだ戦艦アリゾナが映っていた。1941年12月8日、日本軍の真珠湾攻撃で始まり1945年8月米国の原爆投下で終わった太平洋戦争。亡くなった一人一人の人となりが語られることで戦争を身近に感じ、戦争の残酷さもより感じる。「大事なことはやはりシンプルなことでしょう。この地球に暮らす私たちはつながっていると認識すること。黒くこげた三輪車や、→続く2023/08/31

ヒラP@ehon.gohon

27
この本の中にアレン・セイの名前を見つけ、著者自身が終戦後の日本で少年期を過したことを知って、真珠湾攻撃と広島原爆が繋がりました。 真珠湾攻撃で死んだ人、生きのびた人、それぞれに人生があったのです。歴史の流れからではなく、個々人の人となりから歴史を掘り起こすと、戦争は本当に自分と近いところで起こったんだと再認識しました。 2023/08/15

まる子

21
#NetGalley 児童文学作家のロイス・ローリーと画家のアレン・セイ(コウイチ・セイイ)が再会するまでに要した年月は、平和を願う期間。そして戦艦アリゾナの兵士たちと、日本で原子爆弾で命を落とした人たちの「その時」を詩として綴った作品。残酷な場面はほぼないけれど、戦争が遺したものは誰かにとっての大切な命。語り継がれる事でしか知ることのできない自分にとっては、全てが貴重な体験談。 平和な世界であってほしいと願う事しかできない。どうしたら争いは無くなるのだろう…。2023/06/05

ぱせり

10
わたしの目と耳は、きちんと使えるように開いているかな。いつでも知りたい本当のことが、ごまかされたり、曖昧にされたりすることなく、しっかりと伝えられるように、気をつけているかな。ホノルルと広島近郊生まれの二人の児童文学者の友情が心に残る。辛い過去の物語が、未来への希望の物語にかわる。2023/09/01

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