新潮文庫<br> 湖の女たち(新潮文庫)

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新潮文庫
湖の女たち(新潮文庫)

  • 著者名:吉田修一【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 新潮社(2023/07発売)
  • 夏のおとずれ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~6/22)
  • ポイント 175pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101287591

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内容説明

湖畔の介護施設で暮らす寝たきりの男性が殺された。捜査にあたった刑事は施設で働く女性と出会うが、二人はいつしかインモラルな関係に溺れていく。一方、事件を取材する記者は死亡男性がかつて満州で人体実験にかかわっていたことを突きとめるが、なぜか取材の中止を命じられる。吸い寄せられるように湖に集まる男たち、女たち、そして――。読後、圧倒的な結末に言葉を失う極限の黙示録。(解説・諏訪敦)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bunmei

161
福士蒼汰と松本まりかのW主演で映画上映も始まった、吉田修一らしい人間の性やドロドロとした欲望の果てを見据えたイヤミス作品。琵琶湖の湖畔を舞台に、異常とも思える歪んだ愛の形とサディステッィックな関係性の中で求め合う介護士の女と若き刑事の男。そこに、介護施設で起きた殺人事件と、隠蔽されてきた薬害被害や戦時下の満州で行われていた日本軍の人体実験を絡めたミステリー・サスペンス。終末に、満州ハルピンの湖と琵琶湖の美しい景色が、リンクした時に浮かび上がる老人殺害の真犯人は、あまりにも意外な方向転換に衝撃が走る。2024/06/06

ケンイチミズバ

106
刑事も記者も組織の中の一人にすぎない。大きな力に抗えない無念。核心の一歩手前で捜査は中止、記事は差し止め、よくある物語。その頃若かった刑事は号泣した。そして今また情報をリークした記者に出会いお互いの思いが同じであることを知る。が、しかし。731の関係者、介護施設の老人は生産性のない人間で死んでもいいと思う若い世代、ストーリーの核には触れられないのでここまで。私の部下がコンプライアンス窓口に不祥事の証拠を持ち込んだことがあるが見事に正義感も若さも無視された。大事(おおごと)にしたくない。の一言だったらしい。2023/08/10

yoshida

101
琵琶湖畔の介護福祉施設で起きた不審死。誰かが人工呼吸機を止めた。介護施設で働く佳代は西湖署の圭介に徐々に依存支配される。雑誌記者の池田は薬害事件を追ううちに、介護施設の不審死事件との繋がりに気付く。731部隊から薬害エイズ事件、滋賀呼吸機事件等をモチーフとする。また、犯人の動機には津久井やまゆり荘事件が用いられる。様々な物語の展開が期待されるが、大きな広がりは見せない。長編としても良かったか。やや残念でもある。圭介と佳代の共依存は現実感が乏しいか。個人的には共感性が薄い。もう少し話を膨らませても良かった。2023/08/26

JKD

100
琵琶湖の畔にある介護施設で発生した不審死事件よりも、旧満州国731部隊のくだりよりも、介護スタッフが人格崩壊まで追い詰められる取調べよりも、圭介と佳代のド変態っぷりが気になって気になって、美しい湖どころじゃありませんでした。2023/10/07

じいじ

83
これ途中下車します。何故なのか?、どうしてなのか? ひと言で説明できません。大好きな吉田修一の小説なので、体勢を立て直して「再挑戦」することにします。2023/12/19

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