内容説明
己の立場を笠に着て生きてきた元『神童』の公爵令息・ヘルベルト。
傲慢さとその見た目から周囲に豚貴族と馬鹿にされてきたが、平民マーロンとの決闘を控えた前日、謎の手紙が目の前に現れる。その手紙は二十年後の自分から送られてきたもので!? さらに、このままでは誰一人としてヘルベルトを認める者がいなくなる悲惨な未来が綴られていた!
――だが、そこには希望も書き記されていた。
ヘルベルトにはかつての大賢者が使った時空魔法の素質があること。行動を変えれば周囲の人の見る目も変わること。
ヘルベルトはこれまでの行いを悔い改め、手紙のアドバイスを元に未来を変える行動を始める!
まずは凋落の契機である、マーロンとの決闘に敗北する未来を変えることに。
特訓を経て迎えた決闘の日。果たしてヘルベルトは勝利を掴み取り、未来を変えられるのか――!?
人生やり直しファンタジー、ここに開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
尚侍
5
物語的には面白かったんですが、いかんせん序盤の時点でタイトルを回収してしまったので、そこから先は普通に面白いだけになってしまい、本作らしさが薄かったかなと感じました。これでまだ改心する前の出来事によって目指す進路が阻まれるとかいう展開があれば別ですが、そうした要素があまりない中では、別にこのタイトルでなくても物語は成立するので、そういう点でもう一声本作らしいところが欲しかったですね。やり直しの成功譚としては普通に面白かったので、余計にそのあたりが気になりました。2023/06/28
nas
4
タイトル通り時空魔法を習得した未来の自分から手紙が届いてやり直す話だけど、やり直し感はあんまりないな。あっさりしすぎてる感じもあるけど未来からの情報で今を変えていくシチュエーションが好きなのと時空魔法を使える貴族という設定をどうするのかで楽しみかもしれない。2023/07/20
なぎ
2
幼い頃は神童と言われていたが、自分の魔法の才能に溺れて傲慢になった豚令息・ヘルベルトが自身の悲惨な未来を回避する為に今までの行いを悔い改めることに。大筋はテンプレ的な設定でありながら、ヘルベルトが確実に一歩ずつ成長して周囲との関係を修復していく過程が丁寧に描かれていました。両親すら見離したのに最後までヘルベルトを信じるケビンさんが凄かった、そしてそんなケビンさんの危機に対して命懸けで助けようとするヘルベルトにグッときました。次があるなら婚約者のネルや幼なじみのティナがもっと登場してくれると嬉しい。2023/06/26