岩波現代文庫<br> 原子・原子核・原子力 - わたしが講義で伝えたかったこと

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岩波現代文庫
原子・原子核・原子力 - わたしが講義で伝えたかったこと

  • 著者名:山本義隆
  • 価格 ¥1,628(本体¥1,480)
  • 岩波書店(2023/06発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784006004552

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内容説明

福島の原発事故後,撒き散らされた放射性物質の問題はすべての人が避けて通れないものとなった.不確かな情報があふれるなか,自分で物事を判断するためには,原子核と原子力についてのきちんとした知識は必須だ.駿台予備学校での講演にもとづく歴史読み物風の筆致で,基礎からていねいに解説する物理学の入門書.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

はじめに
第1章 原子論のはじまり
1.1 化学原子論/1.2 歴史的な語りについて/1.3 力学のおさらい/1.4 気体分子運動論
第2章 イオンと電子の発見
2.1 重力をめぐって/2.2 電磁気学の初歩/2.3 電気分解の法則/2.4 電子の発見
第3章 X線と放射線の発見
3.1 レントゲンとX線の発見/3.2 ベクレルとキュリー夫妻/3.3 放射線をめぐって/3.4 放射線の人体への影響
第4章 アインシュタインと光子仮説
4.1 光電効果をめぐって/4.2 放射線のエネルギー/4.3 光子の波動性と粒子性/4.4 アインシュタインについて
第5章 原子モデルをめぐって
5.1 有核原子/5.2 原子の古典モデルとその問題点/5.3 ボーアの原子モデル/5.4 一般の原子について/5.5 モーズリーの悲劇
第6章 原子核について
6.1 放射性元素の崩壊/6.2 核物理学のはじまり/6.3 核力と核エネルギー/6.4核分裂と連鎖反応の発見
第7章 原爆と原発
7.1 原子爆弾について/7.2 原発の事故について/7.3 使用済み核燃料の問題/7.4 原発と環境汚染・被曝労働/7.5 放射線の危険について
あとがき
現代文庫版へのあとがき
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nagata

5
かつて授業を拝聴した一講師の言葉として、そして変わらぬ精緻な論理の端々から感じる熱い想いを存分に味わいました。核分裂と連鎖反応の発見で開かれた軍事目的に利するためのやくざな技術が、未だ原発という形で存続し続けることの危険性が切迫感をもって伝わってきます。まずもってここから自ら判断して行動する指針としなければならないと思います。そもそもわれわれが住んでいる地球をこれ以上壊さないためにも、右も左もない。2024/07/17

Akio Aratani

2
原発は、絶対にやばい2024/09/07

くらーく

2
著者は東大闘争全学共闘会議代表だったのですね。そのせいもあるのか、全体に左っぽい雰囲気(全否定)も感じるなあ、と思いつつ。 知りたかったことは、第6章、7章にあって、特にP.283-284に書いてあった。高濃度放射性廃棄物の処理については、現実的解は無く、後世へのつけでしかない、と。 核(分裂利用)の歴史は、まだ1.5世紀程度で、ここまで来ているのだから、これからの技術開発(ADSとか?)で対応出来ないのかな?と思ったのだけど、どうなのだろうね。 物理的なところは難しいのかねえ。2024/03/22

MrO

2
いつの間にか、文庫になってたんですね。名著です。この講演を聞けた予備校生たちは一生の宝にしてほしい。そして、いつか近い将来、国をあげて、というか一部の利権のためにねずみ講である原発政策をやめる力になってほしい。2024/02/04

どさんこ

2
適度の数式があり、天下り的ではない充実した内容に満足。それに加えて、原発に対する問題意識も充分に伝わってきた。2022/11/28

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