岩波現代文庫<br> 草の根のファシズム - 日本民衆の戦争体験

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岩波現代文庫
草の根のファシズム - 日本民衆の戦争体験

  • 著者名:吉見義明
  • 価格 ¥1,738(本体¥1,580)
  • 岩波書店(2023/06発売)
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  • ISBN:9784006004521

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内容説明

日中戦争,アジア太平洋戦争を引き起こし,日本を崩壊させた天皇制ファシズム.その被害者とされてきた民衆がファシズムを支えていたこと,そして戦争末期の悲惨な体験から戦後デモクラシーが生まれたことを民衆が残した記録から明らかにしてゆく.従来の戦争観に根本的転換をもたらした名著,待望の文庫化.【解説=加藤陽子】

目次

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第1章 デモクラシーからファシズムへ
第1節 戦争への不安と期待
第2節 民衆の戦争
第3節 中国の戦場で
1 上海戦・南京戦・徐州戦・武漢戦
2 華北の戦いと東北出身兵士たち
3 華南の戦場で
第2章 草の根のファシズム
第1節 ファシズムの根もと
1 民衆の不満
2 ファシズムの媒介者・受容者
3 占領地日本人の状況
4 アジア太平洋戦争下の出征・渡航
第2節 民衆の序列
1 沖縄県人
2 アイヌ
3 ウィルタとチャモロ人
4 朝鮮人
5 台湾人
第3章 アジアの戦争
第1節 インドネシアの幻影
1 運送業者から横須賀重砲部隊へ
2 在留邦人からスマトラ軍政支部へ
3 サイパン島渡航前に近衛騎兵連隊へ
第2節 ビルマの流星群
1 自由労働者からビルマ防衛軍兵備局へ
2 小間物商から歩兵第一一四連隊へ
3 日通運送店員から烈兵団通信隊へ
第3節 フィリピンの山野で
1 機帆船船員から戦車第二師団工兵隊へ
2 マニラ日本人会職員から主婦に
3 ホワイト・カラーから菅兵団砲兵大隊へ
第4節 再び中国戦線で
1 高等女学校教員から迫撃第四大隊へ
2 傘屋から北支派遣軍宣撫官へ
3 種畜場職員から歩兵第二三二連隊
第4章 戦場からのデモクラシー
第1節 ひび割れるファシズム
第2節 国家の崩壊を越えて
1 一九四五年八月一五日
2 確立する戦後精神と崩壊せざる意識
あとがき
岩波現代文庫版あとがき
解説 民衆の意識を研究史に刻む……加藤陽子
参照文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ベイス

82
「未読を恥じる」との評が今年の『みすず』読者アンケートにあり、手に取る。ひとつ前に読んだ『ヒトラーを支持したドイツ国民』に比べて拠り所となる文献が豊富で、いかに全体主義思想が定着していったのか、という重いテーマを日独で比較しながら読み進めた。従軍記が続く後半は少し冗長だが、読み継がれるべき名著だと感じた。文庫版を出した岩波に感謝。独ナチズムや伊ファシズムとは一線を画したいという戦中日本人の国民感情や、玉音放送を聞いて去来した思いの内訳で「天皇への申し訳なさ」が極めて少なかったという統計など、興味深かった。2023/04/05

syaori

78
天皇制ファシズムを支えた構造を見てゆく本。人々が権益獲得を願いながら「国民の義務」として戦争に真面目に協力していったこと、朝鮮人やアイヌ等の差別・抑圧された人々の祖国や同胞のための戦争協力についてなど、草の根の民衆の誠実な善意が「戦争の遂行」のために組織されていった構造が手記や当時の調査などから明かされます。そして戦後の民主主義の受容は「アジアに対する「帝国」意識の持続」など、各人の戦場体験などにより多様な段階があったことが示されますが、これらは現在もなお課題として残されているのではないかと感じました。2024/01/09

nnpusnsn1945

58
民衆の戦争体験に光を当てた名著。35年前の本だが、今読んでも大いに価値がある。戦記本の引用が多く、戦場の様相について複合的に知ることができ、なおかつ、戦争体験が戦後の平和祈念に繋がっていることを証明している。矢野正美氏のルソン島の戦記は今も新装版が販売しているゆえ、手に入れたいと思う。大日本帝国内の序列も伺える。ちなみに、台湾人、朝鮮人、チャモロ人やアイヌ、ウィルタの兵士の体験も取り扱っている。後者2つのエスニックグループが登場するゴールデンカムイを読んだ人にもお勧めができる。2022/09/21

かふ

23
今の社会の状況が敗戦前の状況に似ていると思った。あいかわらず経済大国であると信じる政治家や人々。この時期に及んで新聞報道は政府のありかたをニュースとして伝えるだけ。朝ドラが笠置シヅ子のブギウギなのも景気づけという感じ。未だに日本の敗戦を信じていなかった人々なのである。あの敗戦の後はアメリカがやってきて都合よく立て直してくれた。今はどうだろう?もうアメリカからも相手にされず経済破綻していくのだろうか?そう悲観的気分なのも「草の根ファシズム」という大政翼賛的な傾向になりやすい国なのだ。2023/10/03

風に吹かれて

16
 本書は、民衆の戦争体験記や日記などから民衆の戦争に関わる意識を分析。市井の人々の文章や談話をもとにしているので、戦争という時代に生きることの苦難が生々しく伝わってくる。  夫や息子など家族が徴兵された人々は、少しでも国のためになればという気持ちが、戦争が長引くほどに強くなり、生活の貧苦にも耐えようとする。 →2025/08/08

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