内容説明
40年前、ボクシングの世界で頂点を目指した広岡と3人の仲間は、若きボクサー、翔吾と出会う。広岡たちと翔吾は、一緒に世界チャンプの夢を追いかけ始めて……。どう生きて、どう死ぬのか。人生の豊かさを問いかける傑作小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
105
下巻ではあっという間に話が進んでいきます。4人の元ボクサーが若いボクサーを鍛錬していきます。またさらに4人が住んでいるこの家に同居を始めます。最後は世界チャンピオンと対戦して・・・・。アメリカから日本に帰ってきて若いボクサーを育て上げた主人公が・・・、といところで終わります。新聞小説なのでこのような感じに持ってきたのでしょう。エンターテイメントとしては楽しめましたが、沢木さんの作品にしては少し甘い感じがしました。2023/09/08
ふう
104
結末はこうなると知っていたのに、つい感情移入して、寂しくてたまりませんでした。一番幸せなときに自分の死を受け入れなくてはならないなんて…。あとがきに、生き方でも死に方でもなく、一瞬一瞬の今を慈しむ「在り方」を考えたとありました。自分にとって大切なものは何か、今自分が思うことは何か。自分の胸の中にあるものとまっすぐに向き合うということでしょうか。タイトルも情景も、そこにいる人々の思いも、とても美しい物語でした。2020/03/18
ふじさん
90
若き日にボクシングの頂点を目指した広岡と3人の仲間は、才能あふれる青年ボクサーの翔吾と出会う。彼らが成し得なかった世界チャンピオンの夢を追い求めることになる。一人の青年ボクサーの成長物語であると同時に、人生の晩年を迎えた男たちの最後の戦いを描いた作品。今をどう生き、そしてどのようにして死を迎えるか?沢木耕太郎の弁を借りれば、壮大なテーマを広岡の1年に寄り添いながら、男として、というより、人として理想の「在り方」について常に考えつづけた作品と言えるかもしれない。一つひとつの事柄が、心に強く響く内容だった。 2023/10/19
じいじ
80
おもしろいです。昂奮もだいぶ収まりましたので、この小説のポイントを考えてみました。観るスポーツとして「ボクシング」の迫力感は充分にありました。でも、これは試合翌日のスポーツ紙でも、その緊迫の臨場感は味わえます…。私はこの小説の面白さは、広岡を中心にした4人の元ボクサーとその仲間達の見事な演技力にあると思います。夢破れた4人が、40年も経って再度ボクシングの指導者として、その夢を実現させるんですからスケールが大きいです。人生とは成功と挫折との繰り返しですが、残された人生を簡単にあきらめてはいけないのです。2023/09/10
みゆ
77
老齢になった元ボクサー4人が才能ある青年に出会い、世界チャンプを目指す物語。題材はボクシングでしたが、昭和の企業戦士の物語のように思えました。ガムシャラに働いたあの頃。ふと気づけば会社はリストラ、家庭にも居場所はない「俺は生きているのか?死んでいないだけなんじゃないのか」の言葉はリアル。苦楽を共にした昔の仲間と集い、自分らのスゴさを分かる若者に技を伝授する。男のロマン・ファンタジーかもしれません。でも「俺たち頑張ったんだからこの位の夢見ていいじゃんか」の声が聞こえてきそう。私はいいと思います(o^^o)2026/01/26




