講談社文芸文庫<br> 小説の未来

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講談社文芸文庫
小説の未来

  • 著者名:加藤典洋【著】
  • 価格 ¥2,508(本体¥2,280)
  • 講談社(2023/06発売)
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  • ISBN:9784065319604

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内容説明

村上春樹『スプートニクの恋人』、村上龍『希望の国のエクソダス』、川上弘美『センセイの鞄』、大江健三郎『取り替え子』、高橋源一郎『日本文学盛衰史』、阿部和重『ニッポニアニッポン』、町田康『くっすん大黒』、金井美恵子『噂の娘』、吉本ばなな『アムリタ』など、1990年代の日本文学を深く読み込んでその本質を読解したうえで、現代文学に初めて接する若者の読者に紹介できるレベルまでやさしく丁寧に伝えようとして書かれた、実験的でありつつも実践的な文芸批評の傑作。

目次

1 「両村上」の時代の終わり
1 行く者と行かれる者の連帯――村上春樹『スプートニクの恋人』
2 七合目での下山――村上龍『希望の国のエクソダス』
2 九〇年代以降の小説家たち
3 「先生」から「センセイ」へ――川上弘美『センセイの鞄』
4 二重の底とポストモダン――保坂和志『季節の記憶』
5 通俗と反・通俗のはざま――江國香織『流しのしたの骨』
3 時代の突端の小説たち
6 生の「外側のその向こう」――大江健三郎『取り替え子』
7 言語・革命・セックス――高橋源一郎『日本文学盛衰史』
8 脱ポストモダンの小説へ――阿部和重『ニッポニアニッポン』
4 新しい小説のさまざまな展開
9 その小さなもの(女性形)――伊藤比呂美『ラニーニャ』
10 「毎日ぶらぶら遊んで暮らしたい」――町田康『くっすん大黒』
11 想起される〈私〉で大人になること――金井美恵子『噂の娘』
5 よしもとばななと一九九五年の骨折
12 なぜ小説はお猿の電車を選ぶのか――吉本ばなな『アムリタ』
あとがき
解説

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Foufou

6
かつて『小説から遠く離れて』という画期的な評論があって、村上春樹や丸谷才一の「玄人離れ」を促進したように記憶するが、本作はそれの向こうを張るとも言うべき、扱われた作品のすべてを読者が読みたくなるような言説に満ち満ちているという点であまりにも感動的。解読格子に当てはめて優劣を決定するようなテクスト論からは遠く離れ、作品から聞こえる肉声にじっくり耳を傾け、肌を撫ぜてその質感を丹念に触知するといった、愚直かつは繊細な読み。なぜか救われるのです。もう著者に会えないのがこんなに寂しいとは。2023/08/18

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