構造と自然 - 哲学と人類学の交錯

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構造と自然 - 哲学と人類学の交錯

  • 著者名:檜垣立哉/山崎吾郎
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  • 勁草書房(2023/06発売)
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  • ISBN:9784326103140

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内容説明

ドゥルーズ=ガタリ、メルロ=ポンティ、サルトル、モース、デュルケム、ヴィヴェイロス・デ・カストロ、デスコラ、ストラザーン――いずれも「自然」をめぐり、レヴィ=ストロースの神話論理の再解釈や「構造」の捉えなおしとして進行してきた哲学と人類学について、思考様式の違いや歴史的な影響関係、主題の反復を浮き彫りにする。

目次

はじめに

第1章 自分自身の哲学者になること――文化人類学と哲学が交錯する場所で[山崎吾郎]
 1 ともに生み出される人類学
 2 自然と文化のねじれた関係
 3 形の論理――神話、制度、技術
 4 形の変化、具体の科学
 5 自分自身の哲学者になること

第2章 他者の認識と理解――「ネイティヴ」・文化・自然をめぐって[磯直樹]
 1 はじめに
 2 ネイティヴの視点から
 3 ヴェーバーの理解社会学
 4 多文化・単一自然主義を超えて――デスコラの「自然の人類学」
 5 ブルデューとサヤドの反省性
 6 おわりに

第3章 メラネシアからの思考――ストラザーン『贈与のジェンダー』における「行為」と「産む身体」をめぐって[里見龍樹]
 1 メラネシアからの思考
 2 ストラザーンの「関係論的人格」論
 3 『贈与のジェンダー』における「人格」と「行為」
 4 メラネシア民族誌の系譜
 5 『間に立つ女性たち』の行為論
 6 フェミニスト人類学と「産む身体」
 7 「メラネシア的社会性」の理論
 8 パイエラの少年たち
 9 「美学的な罠」
 10 産む身体

第4章 神話の精神分析/呪術のスキゾ分析――『千のプラトー』における人類学と人類学もどきの活用について[山森裕毅]
 1 はじめに
 2 精神分析と人類学
 3 狼はただの一匹か、それとも数匹か
 4 精神分析の何が有害か――『千のプラトー』における精神分析の捉え方
 5 逃走のための概念群――群れ、多様体、生成変化、強度
 6 D-Gと人類学/人類学もどき
 7 呪術と呪術師
 8 動物になるとはどういうことか――同盟、伝染、群れ、変則者
 9 薬物と知覚――動物への生成変化のその先へ
 10 アルトーとペヨトル・ダンス
 11 結びに代えて

第5章 生成する構造主義――フィリップ・デスコラと野生の問題[小林徹]
 1 はじめに
 2 構造人類学の方法論
 3 野生の構造主義/野生の存在論
 4 構造存在論
 5 おわりに――構造主義の生成

第6章 構造とネットワーク――レヴィ=ストロース×ラトゥール[久保明教]
 1 歪な鏡像
 2 人間ならざるものはいかに人間になるのか
 3 人間ならざるものはいかに行為するか
 4 構造のネットワーク
 5 ネットワークの構造
 6 ノーマンズランド

第7章 レヴィ=ストロースにおける階層と不均衡[近藤宏]
 1 はじめに
 2 「絶えざる不均衡」をめぐって
 3  階層をめぐって
 4 おわりに

第8章 レヴィ=ストロースの哲学的文脈――構造と時間/自然と歴史[檜垣立哉]
 1 はじめに――レヴィ=ストロースは哲学者なのか
 2 レヴィ=ストロースの複合性
 3 レヴィ=ストロースにおける「出来事」と「構造」
 4 「再びみいだされた時」としてのチューリンガ
 5 サルトルの『弁証法的理性批判』との対比
 6 「マナ」をめぐって――ドゥルーズとデリダ
 7 デリダとレヴィ=ストロース
 8 ルソー主義者レヴィ=ストロースへの批判
 9 レヴィ=ストロースはどこへ開かれるのか

第9章 デュルケムはパンドラの箱を開けたか――思考の非個人主義と非人間主義[近藤和敬]
 1 哲学と人類学のすれ違い――哲学の近代性と思考の個人主義と人間主義の問題
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

PETE

3
新しい人類学のキーコンセプトのうち、構造主義からの批判的継承に関わる議論を中心にした論文集。とはいえ哲学側の研究者はレヴィ=ストロースに偏りがち。人類学側では、ラトゥールのアクターネットワーク理論の紹介者である久保明教氏自身が、ラトゥールに手厳しい議論を展開していたのが興味深かった。2023/08/31

文狸

2
第3章 里見龍樹『メラネシアからの思考』は、「これまでのメラネシア民族誌、それどころか人類学一般を規定していた西洋的な「個人/社会」の二分法を問題化し、そうした二分法を逃れる独自のメラネシア的な「人格」 (person) の概念を提示した」ものとして広く理解されている『贈与とジェンダー』について、「自分たち自身を不断に驚かせる」をキーワードにその二面性を語っていたのが論旨が明確で勉強になった。男性たちが代表する「構造」に対し、女性たちの「行為」と「実践」が前景化されていたオートナーを乗り越える→2023/09/20

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