新潮文庫<br> とわの庭(新潮文庫)

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新潮文庫
とわの庭(新潮文庫)

  • 著者名:小川糸【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2023/06発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101383439

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内容説明

盲目の女の子とわは、大好きな母と二人暮らし。母が言葉を、庭の植物が四季を、鳥の合唱団が朝の訪れを教えてくれた。でもある日、母がいなくなり……それから何年経っただろう。壮絶な孤独の闇を抜け、とわは自分の人生を歩き出す。おいしいご飯、沢山の本、大切な友人、一夏の恋、そしてあの家の庭。盲導犬ジョイと切り拓いた世界は眩い光と愛に満ちていた。涙と生きる力が溢れ出す感動長編。(解説・平松洋子)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

224
『目が見えない』という主人公のとわが母親と暮らした「とわの庭」のある家から『新しい人生』へと歩み出していく先が描かれたこの作品。そこには『見えない』という日常をプラスに捉えていくとわの姿が描かれていました。『聴覚や嗅覚、触覚など他の感覚を駆使』したリアルな感覚が描かれたこの作品。衝撃の前提設定がとわの前向きな姿勢に衝撃でなくなっていくこの作品。闇の中を彷徨う前半の物語と、眩い光が指すあたたかい後半の物語の落差を感じる物語の中に、『目が見えない』とわの日常を丁寧に描き出した小川さんの上手さを見る作品でした。2023/11/07

あきぽん

88
とにかくヒロインの純真さが胸をうつ。「酷い」境遇で育った彼女の幸せ感度は何と尊いことか。心が美しければ、世界は美しい…かつて貧しく障がい者だが彼女のように純真無垢な友人がいた。そして母と2人暮らしが長い自分には、来るべき日についていろいろ考えさせられる。2024/07/30

リトロ

76
新潮文庫の100冊、2023年から。盲目であっても十和子なりの感じ方で、例えば匂いとかで世界を感じている。前半の暗くどこへ向かうのだろうという物語に反して、後半は十和子を支えてくれる存在が沢山現れる。いつだってとわを支えてくれたのはとわの庭の植物の香り、そして盲導犬のジョイやすずちゃんやマリさんだった。屋根裏のローズマリーはどうなったのかとか、ワンピースは結局何色だったんだろう?と気になる部分も残しつつだったが、生きることの素晴らしさを教えてくれる素敵な本でした。2023/09/14

紫 綺

76
単行本にて読了。生まれ落ちた時から全盲の少女「とわ」が、孤独と飢えの四半世紀を乗り越え、幸せに出逢っていく物語。ふつうなら悲惨に思える人生だが、とわにとってはそうではなく、死にたいと思ったことも一度も無かったと言い切る。強くて優しい娘だ。2023/07/03

よしのひ

66
とわと母の世界は光の世界であった。ただそれは外と繋がるまでであるが。とわの主観的な世界観で読書に浸っていたので、キラキラしていたのだが、母が居なくなってからは、もう白と黒の世界にしか感じられなかった。読んでいて苦しかったのは久しぶりの感覚。しかし、そこからどんどんとわに色がついていった。酸いも甘いも足されていった色は最終的にはカラフルであった。小川糸さんの作品に繋がる虹色であった。魔女のマリさんやスズ、ジョイ、リヒトにしたって、とわには大切なピースに違いない。とわに刺激を受け、また明日から頑張れそうだ。2023/12/03

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