新潮文庫<br> とわの庭(新潮文庫)

個数:1
紙書籍版価格
¥693
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

新潮文庫
とわの庭(新潮文庫)

  • 著者名:小川糸【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2023/06発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101383439

ファイル: /

内容説明

盲目の女の子とわは、大好きな母と二人暮らし。母が言葉を、庭の植物が四季を、鳥の合唱団が朝の訪れを教えてくれた。でもある日、母がいなくなり……それから何年経っただろう。壮絶な孤独の闇を抜け、とわは自分の人生を歩き出す。おいしいご飯、沢山の本、大切な友人、一夏の恋、そしてあの家の庭。盲導犬ジョイと切り拓いた世界は眩い光と愛に満ちていた。涙と生きる力が溢れ出す感動長編。(解説・平松洋子)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

200
『目が見えない』という主人公のとわが母親と暮らした「とわの庭」のある家から『新しい人生』へと歩み出していく先が描かれたこの作品。そこには『見えない』という日常をプラスに捉えていくとわの姿が描かれていました。『聴覚や嗅覚、触覚など他の感覚を駆使』したリアルな感覚が描かれたこの作品。衝撃の前提設定がとわの前向きな姿勢に衝撃でなくなっていくこの作品。闇の中を彷徨う前半の物語と、眩い光が指すあたたかい後半の物語の落差を感じる物語の中に、『目が見えない』とわの日常を丁寧に描き出した小川さんの上手さを見る作品でした。2023/11/07

紫 綺

74
単行本にて読了。生まれ落ちた時から全盲の少女「とわ」が、孤独と飢えの四半世紀を乗り越え、幸せに出逢っていく物語。ふつうなら悲惨に思える人生だが、とわにとってはそうではなく、死にたいと思ったことも一度も無かったと言い切る。強くて優しい娘だ。2023/07/03

よしのひ

65
とわと母の世界は光の世界であった。ただそれは外と繋がるまでであるが。とわの主観的な世界観で読書に浸っていたので、キラキラしていたのだが、母が居なくなってからは、もう白と黒の世界にしか感じられなかった。読んでいて苦しかったのは久しぶりの感覚。しかし、そこからどんどんとわに色がついていった。酸いも甘いも足されていった色は最終的にはカラフルであった。小川糸さんの作品に繋がる虹色であった。魔女のマリさんやスズ、ジョイ、リヒトにしたって、とわには大切なピースに違いない。とわに刺激を受け、また明日から頑張れそうだ。2023/12/03

すしな

58
022-24.ネグレクトされた盲目の少女の話です。最近でも親から虐待された子供のニュースが後を立たないですね。とわの母親も社会通念的には許されるものではありませんが、ただ1つ娘に「とわの庭」を与えられたことで、とわを絶望させなかったんだなと感じました。逆に子供が親に危害を加えるケースも多いという現実もありますが、いろいろな要因があるかとは思いますが、やっぱり子供に庭のような場所を与えられなかったこともあるんじゃないのかなと思います。どんな子でも、子供にはそう言う場所が必要だよなぁと感じました。2024/02/28

naoっぴ

53
前半の闇と後半の光がコントラスト豊かに描かれた心揺さぶられる物語。途中までの閉じられた闇の中の世界は、眉間にシワ寄り頭抱えるほど辛かったけれど、小川糸さんの優しい文章に背中を押されて読み進められてよかった。闇から這い上がろうとする主人公にエールを送りながら読んでいたはずが、いつのまにか私の方が元気をもらっていました。母親のとわへの愛はたしかにあったのだろうけど、愛し方が間違っていたのだろうな。闇から這い出て自らの人生をつくり始めた、とわの放つ光が眩しい。2023/10/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21306971
  • ご注意事項