新潮選書<br> ごまかさない仏教―仏・法・僧から問い直す―(新潮選書)

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新潮選書
ごまかさない仏教―仏・法・僧から問い直す―(新潮選書)

  • ISBN:9784106038181

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内容説明

どのお経が「正典」なのか? 「梵天勧請」はなぜ決定的瞬間なのか? 釈迦が悟ったのは本当に「十二支縁起」なのか? 「無我」と「輪廻」はなぜ両立するのか? 日本仏教にはなぜ「サンガ」がないのか? 日本の仏教理解における数々の盲点を、二人の仏教者が、ブッダの教えに立ち返り、根本から問い直す「最強の仏教入門」。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

52
【2500年にわたって、仏教は幸福の本質と根源について、体系的に研究してきた。科学界で仏教哲学とその瞑想の双方に関心が高まっている理由もそこにある(『サピエンス全史』)】仏教学者と「一仏教者」を標榜する評論家が、ブッダの教えに立ち返り、仏教を根本から問い直す書。2017年刊。宮崎は、<もともと一体どういう基盤に、新たな教理、新たな実践を積み上げ、組み立ててきたのかを忘却してしまっているのだ。だからブッダの死後、仏教という大きな器に見境なく流し込まれた“歴史”やら“伝統”やらに泥(なず)むしかない>と。⇒2025/02/06

南北

39
京大工学部から仏教研究(特に律の研究)に転身した佐々木閑さんと中観派の立場に立つ宮崎哲弥さんとの対談形式で仏・法・僧のそれぞれについて対談した本です。仏教とは「病院」のようなもので信じたい人が信じればいいという佐々木さんの見解にはなるほどと思いました。また、佐々木さんが木村泰賢の見解を重視しているのも面白いと思いました。最新の研究も含めて紹介されているので、そうした本を丹念に読んでいけば仏教に対する理解も深まるのではないかと思います。時に中観派の立場から暴走しそうになる宮崎さんも読みどころの1つです。2018/10/15

yutaro13

33
仏教学者と評論家の対談本。仏教入門とあるが、まったくの初学者には向かないかと。仏教学者の佐々木氏はともかく、宮崎氏の仏教への知見の深さに驚いた。梵天勧請や龍樹の評価など、ふたりの見解の相違が面白い。特に宮崎氏は自称「初期仏教ー中観仏教一貫論者」とあって、龍樹への入れ込み方が半端ない(笑)。本書後半、佐々木氏による「テーラワーダ歴史原理主義」批判で名指しで徹底攻撃されている藤本晃氏は、先日私が訪問した誓教寺の住職。藤本氏による佐々木氏への反論は『部派分裂の真実』所収。興味を持った方はそちらも一読ください。2019/04/13

えも

31
これは面白い! 釈迦自身の教え、つまり思想の本質とそれを広めた手法について、二人の仏教者が対談でプラグマティックかつシステマティックに説きおこしてくれる▼ていうか宮崎哲弥が仏教者であるとは知りませんでした▼面白いけどかなりマニアックなところまでいってるので、雰囲気を味わうだけの部分も多くある。あらかじめ「仏教思想のゼロポイント(魚川祐司):これも面白い!」を読んでいたので少し助かったな。2018/02/03

trazom

29
この本は、とてつもなく面白い!「ごまかさない仏教」というタイトルも意味深である。勿論、ごまかさずに仏教を論じるという意味だろうが、一方、大乗仏教のような「ごまかした仏教」が蔓延っていることへの挑発という含みもあるのだろう。仏教を、宗教という枠組みとして捉えるのではなく、「「自己と世界の関係」を根本的に組み替えるための「思考―実践の体系」」だと考えるという宮崎さんの視点が、この対談を見事に刺激的なものにしている。佐々木閑先生が高名な仏教学者であることは承知していたが、宮崎哲弥さんの造詣の深さには恐れ入った。2018/01/10

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