内容説明
人類よ、恐怖せよ――進化を続けるAIやロボットは猛烈な勢いで現代文明に浸透しつつあるが、もしもそれらがくびきを逃れ、反旗を翻したら? 『フランケンシュタイン』から『2001年宇宙の旅』『ターミネーター』『マトリックス』まで、繰り返し扱われてきた一大テーマに気鋭の作家たちが挑む。1955年にAI(人工知能)という言葉を初めて提示した伝説的科学者ジョン・マッカーシーの短編を始め、アレステア・レナルズ、イアン・マクドナルド、ヒュー・ハウイー、アーネスト・クライン、コリイ・ドクトロウらの傑作を収録したアンソロジー。/【目次】序文=ダニエル・H・ウィルソン/神コンプレックスの行方=スコット・シグラー/毎朝=チャールズ・ユウ/執行可能(エクセキユータブル)=ヒュー・ハウイー/オムニボット事件=アーネスト・クライン/時代=コリイ・ドクトロウ/〈ゴールデンアワー〉=ジュリアナ・バゴット/スリープオーバー=アレステア・レナルズ/ナノノート対ちっぽけなデスサブ=イアン・マクドナルド/死にゆく英雄たちと不滅の武勲について=ロビン・ワッサーマン/ロボットと赤ちゃん=ジョン・マッカーシー/ビロード戦争で残されたいびつなおもちゃたち=ショーニン・マグワイア/芸術家のクモ=ンネディ・オコラフォー/小さなもの=ダニエル・H・ウィルソン/謝辞/解説=渡邊利道/編者紹介/訳者紹介
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
29
「AIロボット反乱SF]のアンソロジー。すごく狭い内容のようだけど、収録作品はそれぞれ、ドタバタ色が強いほのぼの話もあれば、ディストピアなもの、思考実験的なもの、苦い後味のものなどなどバラエティに富んでて面白いアンソロジーでした。個人的なお気に入りは、廃棄を間近にした古いAIと長年の付き合いのシスアドの物語「時代」、育児放棄した母親に子どもを愛してやれと命じられたロボットの取った行動を描く「ロボットと赤ちゃん」など。良かったです。2023/08/12
宇宙猫
22
★★★★ "AIが人類に反旗を翻す"がテーマのアンソロジー。意志を持って、意志はないけど結果的に、1人(台?)だけで、ロボット、ナノマシン、異星生命体などバラエティに富んでいて面白かった。ただ、最終話が退屈な中編だったので後読感が今一になってしまった。2024/01/27
本の蟲
19
毎度楽しみな東京創元社のテーマ別SFアンソロ。AI・ロボット傑作選は以前出版されているが、今回はさらに「反乱」に絞ったもの。水面下でとっくに完了している反乱準備、知らずに決着がついているもの、極小サイズのナノロボット等、物理的・心理的に「敵」が見えない作品が多いのは、それだけAIロボットが日常に溶け込んだ証だろうか。その中でわかりやすい、廃棄処分されかかる特殊な旧世代AIと、彼を維持管理するシスアドとの友情?利用?生存戦略の行き着く先を描いた「時代」がお気に入り2023/07/23
もち
18
「それは戦争といえるのか?」◆冷凍睡眠に入った研究者が目覚めたのは、最小限の人数で維持される海上施設。人類のほとんどが凍結された未来で、男は存在しないはずの竜の姿を見る。人工知能の進歩の果て、宇宙に何が起こったのか。(『オーバースリープ』)■これほどのバリエーションを楽しめるとは。勝負が決したもの、反乱しないもの、ナノ単位で展開するもの、ドラゴンに襲われるもの、どんでん返しが待つもの、終わらないもの。ターミネーターのただの変奏版ではない、13通りの反骨を目撃せよ。2023/07/05
スターライト
10
昨年同社から刊行された『創られた心』の姉妹編ともいうべきアンソロジー。『創られた心』には造物主である”人間”に対しロボットや人工生命体が”反乱”を起こす作品と、人間との親密あるいは中立の関係を結ぶ作品が収められていたが、本書はAIやロボットが人間の支配を様々な手段で覆そうとする物語が結集している。テーマだけならロボットSFの誕生とともに多くの作品が生み出されてきたが、ナノテクなどの先端技術が発達した現代ならではの短編が並んでいる。集中のベストは、レナルズ「スリープオーバー」とウィルソン「ちいさなもの」。2023/07/17
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