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内容説明
なぜ、日本列島に前方後円墳のような巨大古墳が生まれたのか。長をまつる巨大な墳丘を「見上げる」行為や、石室の位置や様式、埴輪、また鏡・刀などの副葬品から、古代の人びとは何を感じとっていたのか。竪穴式石室から横穴式石室への大転換はどのように起きたのか。人の心の動きの分析を通じて解明。神格化の装置から単なる墓へ。3世紀から7世紀の日本列島に16万基も築かれた古墳とは何であったかを問う、認知考古学の最前線。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
てん06
19
古墳とは古代の偉い人のお墓でしょ、くらいの認識でもって読んだ。作られた時代、かたち、大きさ、葬られた人の位置付け、作られた地域、副葬品の内容と量、建造の方法、石室の位置やかたち、世界の墳墓との時代的地域的な関連性などから古墳を考察する。非常に内容が広範囲であることから消化できたとは言い難いが、古墳は面白い。古代の日本の地図を脇に置きながら読むと良さそうだ。唯一、古墳内の装飾とりわけ壁画にはほぼ言及がない。2024/04/27
fseigojp
7
前方後円墳の成り立ちが詳述2023/11/08
於千代
3
なぜ大型古墳は「前方後円」なのか、なぜ各地に巨大古墳があるのか、そしてなぜ古墳は消えていったのか等々を考える一冊。 大型古墳は被葬者を神格化するための装置であったが、社会がそうした行為を必要としないようになると単なる「墓」になっていったという指摘はなるほど、と思わされた。 2025/03/06
坂津
3
弥生時代の墓地から8世紀初頭の終末期古墳までの変遷を辿りつつ、東アジアやヨーロッパなどの世界の墳墓文化と対比しながら、古墳とはなにか迫る本。著者が「文庫版へのあとがき」で言及している通り、副題が『認知考古学からみる古代』とされながらも、その説明や成果の表示が十分ではない点は気になった。ただ、前方後円墳の特徴的な形状について、形象論や伝播論に拘泥せず、円形の墳丘に方形の付属部分が付設されているという機能的な側面に立ち返って分析する視座は、認知考古学の要素を受け継いでいると言えるかもしれない。2024/09/25
本の紙魚
2
奈良県を訪れるたびに古代日本への憧れが膨らんで、ここ数年は古墳のフォルムに癒しを感じている。古墳クッションにもたれかかって夏の読書に励もう。認知考古学という少し馴染みのない分野から見た古墳と人々の関わり。天空へのスロープが設けられていた箸墓古墳で神格化された死者を感じ、大陸との関わり、鉄の国内生産の確立から古墳の衰退を読む。ビルディングのない平野に存在感を示したであろう大型古墳。それは人々の日常の、自然の中に当たり前に神が居たということだろうか。墓の埋葬に使われた石は死を、木は生を象徴した物質だったとは。2023/08/17
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