内容説明
ハングル、料理、宗教、文学、ソウルの街、ひとびとの暮らし…この小さな本には韓くに(韓国)のさまざまな文化についてのエッセイが収められている。読めば、韓くにの地に思いを馳せることができる。読めば、ひとびとのこころに触れることができる。読めば、その美を知ることができる。『韓国語はじめの一歩』を改題、大幅に増補して文庫化。韓国文化について知りたいひとは必読の一冊。
目次
I/プロローグ 旅のはじまり/第一章 ハングルという文字/ハングルとの邂逅/宇宙を発声せよ。万物をかたどれ/ハングルのエロティシズム/朝の叫びをハングルで/かたちとしてのハングル、その革命/固有語と漢字語/一人称と二人称/絶対敬語と待遇法/使役の大切な役割/第二章 韓くにのひとと暮らし/虫の儚さ/踊るおばあさんの海に溺れて/足の飛翔するひとびと/声の民/山と巫女/天から星の降る夜に/草の民、民の草/五月、その日がまた来れば/韓くにびとの楽天性/学歴至上主義/ ──ククス/第三章 韓くにの季節/よみがえる詩人の魂のように/銀河ソウルで逢いましょう/秋の絶頂、韓くにの澄む/幻冬京賦/第四章 食の人生哲学/「宗家」のソウル料理 料理人 李正燮/宮中料理文化を受け継ぐ/ソウル料理の特色/「宗家」のこだわり/「饅頭家」の饅頭汁 料理人 韓東淑/家族と店の歴史/饅頭汁の秘訣/北の料理は淡泊/「寧辺」の鱠(刺身) 料理人 車鳳洙/生い立ち/お客に人生を教わる/セコシこそわが天職/店の料理と哲学/第五章 ソウルの旅/幻想歴史列車にようこそ──仁寺洞を歩く/遥かなる時空の旅/天界への小さな小さな通路/筆の思想/水と性の都──清渓川を歩く/哲学的な川/気場の都/ウデとアレデ/性善の川/分数の橋/商のはじまり/理のさいはて、気の熾盛/粋の黄昏──明洞を歩く/浪漫の構造/南山の麓、理念の粋/聖堂、民魂の粋/倭人によるモダン粋/解放以後の浪漫時代と現在/あこがれに生きる少女たちよ──大学路を歩く/史上空前の自由/それぞれの大学路と青春/ライブとオーラの街/「ハン」とはあこがれである/あこがれのさきはう国の女人/石から電脳へ 青春は叫ぶ──新村を歩く/石のような青春/七〇年代、新村の青春/情と報、電脳士大夫の時代/影踏み──新書版「終わりに」/II/第六章 韓くにのこころ/エロティシズムとしての韓国/あれ、諏訪さん!/同じ自分がここにいる/「異文化」のあいまいさ/エロティシズムとしての韓国/境界のあいまいさ/わたし・日本・朝鮮半島/朱子学のエロティシズム/男子の美/アルタイの美と士大夫の美/愛と緊張/理想と抵抗/刹那と永遠/男らしさの陰影/自殺/韓くにの匂いと死/霊が社会をつくる──『哭声』/白と黒の「ハン」/第七章 韓くにの文学/永生する朝鮮詩神のたましい/あわいとしての韓くにことば/叫びと亀裂/尹東柱という問い/「正答」から「あわい」へ/詩人であること/ニムは、紫の花の翳に──万海/支配の複雑性と、根源的な抵抗──趙明熙/金芝河/金鶴泳/新書版 謝辞/文庫版あとがき/初出一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Masakazu Fujino
kana0202
すみっちょ
kim kang yin (김 강인)
ゆり