ちくま学芸文庫<br> 良い死/唯の生

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ちくま学芸文庫
良い死/唯の生

  • 著者名:立岩真也【著者】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 筑摩書房(2023/05発売)
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  • ISBN:9784480511560

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内容説明

「病で死ぬとしてもその時までしたいことをし、楽をするのがよい」と考える著者が、安楽死・尊厳死を「良い死」とする思考を批判的に検討。病を得、あるいは老衰のため身体や思考をうまく働かせられない人に、生きる価値がないと思わせてしまう現代社会。「留保なしの生存」を妨げる種々の規範や価値が埋め込まれているこの社会を、「生きたいなら生きられる」社会へと変えていくには何が必要か。「良い死」を追い求めるのはやめ、「唯の生」でよいではないかと呼びかける。単行本『良い死』に、単行本『唯の生』の第5章~第7章を加えて文庫本とした決定版。

目次

文庫版への序/第I部 良い死/序/序章 要約・前置き/1 要約と前置き/1 急ぐ人のために──最も短い版/2 急ぐ人のために・2──短い版/3 考えてきただろうか/4 知ったらよいこと/2 それがある場所:不死性/1 二〇〇五年/一九八三年/2 尊厳死思想の不死性/3 それがある場所:汎用性/1 批判でもあり主流でもある〔1 自律/2 自然/3 利他〕/4 それがある場所:反事実性・抗事実性/1 二つの枕詞〔1 「たんなる延命」/2 「死の隠蔽」〕/2 現実でもある/3 効果・残余/第1章 私の死/1 私のことである、しかし/1 論を積んでみることについて/2 決めることが大切であること/3 至上のもの ではないこと/4 そのまま受け入れないことを言う不正確な言い方/5 受け入れられないことがある理由/2 困難/1 介入という危険/2 より大きな困難/3 再び選択について/3 他を害さない私のことか/1 いくらか内在して考えてみる/2 自分のために自分を決めているという説について/3 他を害してはいないという説について/第2章 自然な死、の代わりの自然の受領としての生/1 人工/自然/1 「自然な死」という語/2 すべてが自然の中にある/3 サイボーグは肯定される/4 無限の欲望という説/5 単純に苦痛を感じる身体という自然/2 生─政治/1 むしろ面している/2 与えられて/与えているもの/3 延ばされ閉じられる/3 好き嫌いのこと/1 好き嫌いのこと/2 作りものだと、まず言ってみるが/3 抜けられそうにないように思えること/4 会ってしまうこと/1 告発との不整合?/2 普及と変容/3 それでも会ってしまうこと/5 思いを超えてあるとよいという思い/1 普遍の不可能性?/2 個別から語ることの流行/3 思いを超えてあるとよいという思いの実在/4 誰もが、について/5 誰をも、について/6 多数性・可変性/1 並存していること変わること/2 死に賭けられているものを軽くすること/7 肯定するものについて/1 世界の受領/2 私に向かわなくてもよいこと/第3章 犠牲と不足について/1 不安と楽観/1 不安と楽観について/2 要約/2 避けられない場合/1 共有財──生命の犠牲/2 私見/3 犠牲は不要であること/3 不足/の不在/1 もの/2 人/4 移動/増加/1 同じなら同じでしかない/2 増える/5 どこから計るか/1 「自分のため」が届く範囲/2 生産への貢献という理由/3 代わりに──いっそ原則をはっきりさせること/6 枯れ木に水、がよいについて/1 そう景気のよい話はできない/2 ただし、条件を加えた場合/7 何が妨げているのか/1 利害/2 だが味方の方が多い/3 生産・成長のための我慢という話/4 国際競争という制約/5 どこでもできることではないという話に対して/8 それでよい/それでも/1 それでよい/2 それでも憂える良識的な人たち/3 受け答えについて/おわりに/1 まず言っておけること/2 言ってみたらよいと思うこと/あとがき・1/第II部 唯の生/序/第1章 死の決定について/1 書かれていないが前提されていること/2 私・対・私たち、でなく/3 決定を駆動するもの/4 変更すること・言うこと/[補]小松美彦の本[2004.08]/第2章 より苦痛な生/苦痛な生/安楽な死/1 積極的行為/消極的行為の区別は怪しい賛成/2 緩和のために死が早くなることは認める→賛成/3 緩和のための死/死のための死の区別が有効である→反対/4 生と生の間の選択と生と死の間の選択は違う/5 まとめ/[補]近刊の教科書から[2005.07]/[補]書評:清水哲郎『医療現場に臨む哲学II──ことばに与る私たち』[2000.10]/第3章 『病いの哲学』について/1 何か言われたことがあったか/2 死に淫する哲学/3 病人の肯定という試み/4 病人の連帯/5 身体の力を知ること/[補]死/生の本・2 [2004.11]/おわりに/初出一覧/解説 大谷いづみ/文献/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rune

4
独特のもったりとした文体で紡がれる600頁超の文章を読み通すのは、控えめに言っても苦行である。しかし、大事なことが書かれているから読まないといけない。そういう本である。/本書は、尊厳死・安楽死の法制化に反対するために書かれている。尊厳死・安楽死を肯定する人たちは、それが①自分が決める、②自然な、③他人を思いやっての死であるから、それをよしとする。この3点について著者は批判的な検討を加える。第一に、自分が決める死について。まず、当人の生き死にに関わることだから当人の意思を尊重すべきだと言われるが、2023/02/12

ほしそらねこちゃ

3
なかなか進まなくて、年末から読み始めて1ヶ月かかってしまった。その最中に先般の集団自決云々のアレとかがあり(全く浅はかだ)、色々思考が深まるところではあった。2023/01/28

茅野

2
著者が亡くなったというニュースを見て、そこで著者や本書を知ったという遅すぎる出逢いなんだけど、関心を持ったので読んだ。 紹介やレビューにも「難しい、読みづらい」と書かれていて身構えたが、冒頭は易しくて安心していたところ、本文から牙を向いてきた。読むのに一ヶ月近く掛かった。 それでも、確実に読んでよかったと断言できるし、それこそ要旨くらいは義務教育で扱った方が良いと思った。 安楽死についてきちんと考えたことはなかったけど、この本が入門で良かったと強く感じる。 万人向けの本ではないのは重々承知だが、読むべき。2023/12/14

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