日本経済新聞出版<br> 国家の債務を擁護する 公的債務の世界史

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日本経済新聞出版
国家の債務を擁護する 公的債務の世界史

  • ISBN:9784296117079

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内容説明

巨大債務にどう対処すべきか? ヒントは歴史の中にある。
2000年にわたる歴史から見えてくる公的債務と経済発展との関わり、債務危機対応への道。

世界史的にみてもきわめて高い水準の巨大債務をかかえる日本は、どのようにして経済成長を実現しつつ、債務問題を管理していけばよいのか。日本経済最大の問題を考察するうえでも役立つ本格的な債務論。

古代ギリシャから中世のローマ教皇、ヴェネツィア、英仏などの絶対王政、ジョン・ロー、近代国家の成立と財政、アメリカ南北戦争、南米への投資ブーム、オスマントルコ帝国、中国・清および明治日本の資金調達、中央銀行の創設、第一次・第二次世界大戦、福祉国家の登場と戦争財政、戦後の国際金融、石油マネー、途上国債務問題、ルービン財政、リーマン危機などごく最近に至るまでの歴史を取り上げる。最後に、新型コロナのパンデミックを乗り切るために公的債務の果たした役割を取り上げ、重い債務を負担する世界各国の政府が危機から立ち上がり、前に進むためのヒントを示す。

バリー・アイケングリーンら世界的に著名な研究者が執筆。増大する公的債務の背景事情、債務削減に成功するための条件を明らかにし、国家の債務問題に関するバランスのとれた議論を展開する。オリビエ・ブランシャール、アラン・ブラインダー、ニーアル・ファーガソンなどの世界的に高名な経済学者、歴史研究者が高く評価している。

目次

第1章 イントロダクション
第2章 国家のための債務
第3章 国家と借り入れの限界
第4章 民主化とグローバル化
第5章 買い手責任
第6章 問題を抱えた債務の管理
第7章 成功した債務整理
第8章 戦争から福祉へ
第9章 債務サイクル
第10章 水と油
第11章 逃された機会
第12章 救援策としての債務
第13章 新型コロナ危機禍
第14章 結 論
原 注
参考文献
索 引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kazuya Nakagawa

5
コロナ禍で債務が増大してるところで本書は終わってるわけですが、未来に生きる我々はその後の推移を知っています。インフレは抑え込まれる方向でした。上手くやれそうでしたが、ニューヨークの不動産屋が再び現れて訳分からんくなってしまいました。 我々はどうなるのでしょうか。2025/02/18

人生ゴルディアス

4
国家債務は多すぎても少なすぎてもよくない。功罪をバランスよく解説してくれた気がする。MMTが一言も出てこないところに信頼感がある。安全資産としての役割や、経済がショック死しかけている時の信用供給機能として、財政支出=国家債務は絶対に必要だが、無限に債務を増やせるはずもない。ただ、原著のせいなのかわからないが、自然利子率という単語を頑なに使用しなかったり、デフレで債務が増加することを「金利から経済成長率を引いた差が逆風になる」とか謎の言い回しにするのやめて欲しかった。2023/10/13

ぜんこうじ

3
欧米の経済学者・実務家による国家債務の歴史とその有効性を論じた著作。古代ギリシャの都市国家の時代から語られるため、ややとっつきにくいが、経済の近代化や危機時に果たした債務の有効性が論じられる。国家間の戦争によって金融市場が発達した欧州でこそ産業革命が実現したとの指摘は至言だと感じた。インフレが債務削減に寄与した効果は薄く、経済成長と適切な時期の緊縮財政による基礎的財政収支の改善こそが債務削減に必要との結論は至極まっとう。日本の債務問題に関して踏み込んだ指摘はないが、今後を考える上で示唆に富む内容だった。2023/08/06

ダックだ

1
今現在日本でも様々な論説が出ている国家債務。財務真理教なんてのが流れていますが、何事にもメリットデメリットがあり、偏重思考ほど有害なものはないので、一読の価値はある。紀元前の古代文明から、パンデミックまでという世界史の歴史教科書のような横断論文ですが、一点の課題に絞っていることでわかりやすいです。この本でも、ある一定条件下においては、国家債務の管理と返済は可能であると言ってます。日本でその条件を200年くらい継続できれば今の日本の債務は返済できるかもしれません。その前に人類の歴史が終わりそうですけどね2024/06/18

mori-ful

1
アイケングリーン他『国家の債務を擁護する』はIMF出身経済学者ながらなかなか面白い本だった。戦争が頻発するヨーロッパでこそ国債市場や金融技術は発達し近代化したという説明やハミルトンの連邦債一本化というワザや明治日本の「原罪」の克服など政治思想史系の人の意見を聞きたくなる。「なぜ公共セクターの拡大と福祉制度の誕生が債務の増大と関係するかは、よくわかっていない」という指摘に驚いた。公共サービスへの需要が経常歳入以上あるなら税金を上げられるはずだと。ホンマかいな。2023/07/15

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