ニケを殺す

著者名：植田文博【著】

講談社（2023/05発売）

• ISBN：9784065314999

内容説明

妻が事件に巻き込まれたあの日から、俺の時間は止まった。意識を取り戻さない彼女がひた隠していた暗い運命とは。焼失していたはずの古代彫刻「ニケ」――勝利の女神の魅力に翻弄される人間たちを描く物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[えみ]

ニケ…罪深い。が、そこに言葉で表すことのできない魅力が溢れているのだろう。誰もがその触れてはいけない女神に狂わされ、奪われて、そして齎される。ニケを殺そうと画策する者達。そこに愛する妻が含まれていたのか。平凡な家庭、とりとめのない幸せな結婚生活…。この日々が偽りだったとは信じ難い。が、しかし妻の裏の顔を垣間見た事件を問答無用に差し出された夫は、どこまで現実から目を逸らさずにいられるか。幻のニケを巡る争い。何がそこまで人を狂わせる？小さな手掛かりと大きな疑惑の間で揺れ動く不変の想い。ニケを殺すか、救うのか。

2023/06/30

[うみ]

タイトルにニケが冠され、帯にはアート・ミステリの文字が。そりゃ手に取るでしょうよ。読むでしょうよ。漠然と思っていたアート・ミステリとは趣を異にしていた。一瞬、守備範囲じゃないかもとは思った。なにせハードボイルドだ。男一匹、惚れた女の面影を抱いて戦う物語だ。世界の全てを敵にまわしても、あなたは誰かを愛せますか？

2023/05/30

[眠り猫＠灯れ松明の火（文庫ﾌﾘｰｸさんに賛同）]

アレもこれも詰め込もうとして結果的に薄〜くなってしまった感が否めない。どの要素も面白そうなのだけれど、残念でした。

2023/08/15

[ムーミンママ]

ハードボイルドなミステリー｡オリンピアのニケを巡って三つ巴の戦い｡主人公夫妻が どうなったかのかが気になる｡

2023/11/04

[CD]

こういうのハードボイルドてジャンルなんだろうな ニケ像をめぐるミステリ。舞台が実在の地名ながらあちこち移動するのが、近年の小説にしては新鮮。文章力高い気がする。

2024/07/16