内容説明
親を亡くした悲しみを抱える子どもたちがその後の人生を歩んでいくためには、その死別体験とどのように向き合えばよいのか。
原著書名の“Never the Same”とは、「〔親の死を経験したあなたは、以前の〕あなたとは違う〔けれども、もうあなたは前に進む準備ができている〕」というニュアンスを意味している。親を亡くした子どもたちは、時間の経過とともにその喪失の悲しみを受け容れて成長していくと言われるが、著者は「子どもは必ずしも親の死を乗り越えてはいない」という。その上で本書では、子どもたちが親の死を無理に受容したり乗り越えたりするのではなく、「親の死の前の〈わたし〉と後の〈わたし〉は同じではない。それでも自ら前に向かって歩みを進めることができる」ように導いていくことを目指している。
アメリカのグリーフケア施設「ダギー・センター」(1982年設立)の責任者を長く務めた著者が、臨床現場での事例を紹介しながら提言する一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ksm
6
「子ども時代に親を亡くした大人」のための本。死別って本当に大きいから、多くの元子どもに届いてほしい。そして、親を亡くした子どものそばにいる大人にも。親の死による影響は時間だけじゃ解決しない。【死別を経験した子どもには心のケアが必要】ってことが当たり前の社会になってほしい。色々な感情が出てきて当然だし、それを表現したり、分かち合ったりすることはすごく大切。だからこそ「あの頃に知りたかった」ってことが本当にたくさんある。身近な方を亡くした方のグリーフケアの会が紹介されてるのもすごく素敵。自分の人生を生きよう。2020/09/19
ヨハネス
4
何十年経っても「なぜあの時通夜に参加させてくれなかったんだろう」と考えることはある。わからないでもないけど無理でもなかったはず、などいろいろ考えてしまう。それでも通夜の間預かってくれた人の優しかった思い出とか、なかなか得られない経験はしたんだ。あたしはうまく乗り越えられた方だ、たぶん。2021/03/23
Sherlock Holmis
3
本の内容が悪いとは思わないが、残念ながら、期待していたほどの救いにはならなかった2021/10/17