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内容説明
BL(ボーイズラブ)、すなわち男同士の恋愛や性愛が描かれた作品は、
近年のエンタメ業界で存在感を高めている。
こうしたBL作品を理解するうえで欠かせないのが、
「妄想力」を土台とする「腐の精神」だ。
そして、これは突然変異で生まれたものではなく、
日本の歴史に脈々と受け継がれてきた精神であると著者は言う。
本書は、『古事記』から『万葉集』『源氏物語』『雨月物語』といった古典文学や史料を題材に、
「腐」を軸とした鮮やかな解釈で、新しい歴史観を提供するもの。
院政期に男色ネットワークが築かれた本当の理由や、男色の闇にあった差別と虐待の精神史など、
これまで語られてこなかった日本史の本質を描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fseigojp
12
女性目線の男色論でわかりやすかった2023/05/07
oooともろー
10
ユニークな切り口で日本古典を読み解いてくれる大塚さん。今回はBL。日本史の裏道ではなく王道かどうかはさておき、面白く勉強になる。2024/01/10
nonpono
9
中学生のとき萩尾望都「ポーの一族」に驚嘆した。昨年、ある漫画にはまり、初めて2次創作の世界を味わっている。本書は古事記から近代までBLで説く日本史。平賀源内に驚く。色街の地図まで作っちゃうんだ。最後は男色絡みかとも言われる殺人事件を犯し獄死しているんですね。異国の宣教師も驚いた日本のおおらかすぎるBL。美少年への熱視線。男と男の嫉妬から戦やら殺人やらいろいろな歴史の見方もあるんだなと思いました。大人になる前の少年のあやうい儚げな色気を浴びて吸う男達。やはり美しい物は愛でたいし手中におさめたいものですかね。2023/07/26
かぐつち
6
男色などの歴史に興味を持ったことがあれば一度は目にした話が多いので、すごく詳しい人よりは入門者向けかなぁ。日本史の中のBL的なものを取り上げながら、そのものが持つ裏面や問題点にも言及があるので、ただのBLっぽいもの紹介で終わらないのがいいと思いました。2024/01/09
びかごん
6
図書館で見かけて、面白そうだなって借りてみた。もっと軽い感じかと思って読んだが、あまりにも内容が細かくて専門書的なので、流し読み。2023/12/18