動くはずのない死体~森川智喜短編集~

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動くはずのない死体~森川智喜短編集~

  • 著者名:森川智喜
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 光文社(2023/05発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334915292

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内容説明

ドレスをズタズタにした犯人は、どこから来てどこへ逃げた?(「幸せという小鳥たち、希望という鳴き声」) 夫は殺したはずなのに! なぜここに!?(「動くはずのない死体」) 瞬間移動能力者が起こした密室殺人。読者への挑戦状付き!(「ロックトルーム・ブギーマン」) どこまでもロジカル、限りなくポップ。そしてほんのりクレイジー。本格ミステリ大賞受賞作家の奇想が踊る、5つの奇妙な謎と解決。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

120
この作者はどんな投球も可能な万能型ピッチャーか。「小鳥たち」が剛速球のストレートなら「フーダニット」では打たせて取るフライボールを決め、表題作で極めつけのナックルボールを披露したかと思えば「悪運」は内外角を巧みに攻め分け、「ブギーマン」はサウスポーの変化球で翻弄する。各作品とも「こう来たか」と思わせるうまさが光り面白く読ませるが、先発完投型のパワーピッチャーというより最終回に登板するリリーフ陣のイメージだ。技巧を楽しむプロの目には楽しめても、メガホンを持って必死に応援するファンには物足りないのではないか。2023/09/21

yukaring

66
独特なテイストのトリッキーな短編集。創立2周年パーティーで着るドレスをズタズタにされた女社長。犯人はどこから来てどこに逃げたのか?『幸せという小鳥たち』推理作家の原稿をコーヒーでダメにしてしまった高校生2人組が虫食い部分を推理して修復する『フーダニット・リセプション』夫を殺してしまった!でも何でここにいるの?もしかして動いた?『動くはずのない死体』瞬間移動能力者が起こす密室殺人『ロックトルームブギーマン』などどこまでもロジカル、そしてブラックユーモアも効いた短編5編。奇妙な謎と解決編を楽しめる1冊だった。2023/06/11

オーウェン

54
5編の短編ミステリだが、どんでん返しやブラックジョークに、読者への挑戦状などバラエティに富んだ中身。 「フーダニット・リセプション」 コーヒーをこぼしてしまい、ミステリの原稿を修復していくという手法。 目新しい虫食いによってミステリを完成させていくという形は楽しめる。 表題作はそのまま、夫を殺したはずの妻だが、なぜか死体が動いて部屋にいるというもの。 あるトリックが仕掛けられているが、終盤までは気付かなかった。 読者への挑戦状がある最後の話。 やりたいことは分かるが凝り過ぎていて、結末に納得がいかない。2023/08/13

aquamarine

52
実は初読み作家さん。ノンシリーズの短編集。ドレスをダメにした犯人を探す一話目こそさらりと読んだが、ミステリの解答編のみの虫喰い原稿を前後の文章から高校生たちが修復する2話目はびっくりで、数学的理詰めがとても好み。表題作はちょっとずるいかも。悪運のついている殺人犯の話は落とし方が納得だし、特殊能力をうまく使った最終話は西澤作品を彷彿とさせ、挑戦状付きの綺麗なミステリに思わずニヤリ。楽しかった!気になりながらもタイミングを逸して著者の過去作を読めていなかったが、シリーズ含めてぜひ読んでみたい。2023/07/05

さっちゃん

46
書き下ろし一編を含む五編の短編集。「フーダニット・リセプション」のみ『本格王2022』にて既読。/ロジカルだけどコミカルで、遊び心のある作品が多くて楽しめた。中でも「フーダニット~」は再読でも改めて唸らされた。何村さん凄すぎでしょ! 「ロックトルーム・ブギーマン」は特殊設定モノの犯人当て。毛むくじゃらのお父さんもいい味出してるし、柿田巡査のブキーマンシリーズで続編書いて欲しいな。2023/07/13

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