内容説明
俳句と小説の新しい出会い。17音の奥に潜む繊細で彩り豊かな12の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
381
宮部 みゆきは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の新境地でしょうか?12の俳句から紡ぎだした短編集、読み応えがありました。オススメは、『窓際のゴーヤカーテン実は二つ』&『山降りる旅駅ごとに花ひらき』&『薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ』です。 https://www.kadokawa-zaidan.or.jp/product/302212003862.html2023/05/15
R
225
いくつかの俳句から着想を得ての短編集、試みが面白くて、俳句のための短編によって、まるで印象が異なる物語を楽しめた。全体的にちょっと暗いというか、辛い内容が多いけども、そういう情景を切り取った句の力が凄いと感心した、しかもリバースエンジニアリング的な逆想像というところがより凄い。オムニバスで、様々なシチュエーションが楽しめることもあって、これは続けてもらいたいシリーズだと思えた。新しい上句下句でもあるんだろうか。2023/08/19
のぶ
199
久しぶりに宮部さんの現代物の本を読んだ。それも句会の仲間が作った俳句をヒントに短編小説を十二編作っちゃうという斬新な一冊。個々の俳句自体の優劣は不明だが、平凡な句であるとしても、17音の奥に潜む物語が彩り豊かに紡ぎだすのは、作者の技量が素晴らしいからだと思う。ただ内容的には楽しい話は極めて少ないような気がした。ろくでもない男と関わったことで味わった悲劇、という作品が多かった気がした。それと一篇ずつの長さが短いために大きな展開がなかったのが残念だったが、小説の性格上しょうがないところでしょうか。2023/05/20
ひさか
179
2023年4月角川書店刊。後味の悪い話が多くてあまり楽しめなかった。タイトルか俳句になっていて、確かに話の内容のどこかに関係するのだが、ただそれだけで、面白くなかった。2023/05/29
Tanaka9999
172
2023年発行、KADOKAWAの単行本。12編。俳句から短編小説を書く短編集。いずれもこの作者の現代物短編らしいもの。その分お題となった俳句からなぜこのような話になるのか不思議なものもあるか。もっとも「俳句の鑑賞・解釈をした」ものではない、とあとがきにもはっきりあるから構わないのだろう。とはいえ、もっと日常のゆったりした情景の話が多い方がよかったなぁ、とは思う。2023/07/04