内容説明
火星の命運は若き女性政治家キャシーアに託された。困難な地球との交渉にあたる彼女は、かつての恋人だった物理学者のチャールズから、超兵器としても応用可能な“ベル連続体理論”の存在を知らされる。だがそれは両刃の剣だった。その理論の潜在的な破壊力に気づいた地球によって、火星への全面攻撃が開始されたのだ…近未来火星のヴィヴィッドな描写と破天荒なプロットでネビュラ賞に輝いた、ベア畢生の超大作登場!ネビュラ賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
13
後半も政治的なやりとりに終始していた印象で、終盤の超ド級の仕掛けがどうにも物語とフィットしてない気がする。 避けて通れないとはいえ。 さて、その後の火星もだが地球もどうなることやら。 423ページ 2017/12/12
to_chan
9
ふんわりした導入部のわりにいきなり命を賭けてくる主人公。上巻で地味に主人公の成長と火星と地球の関係を描いたあとに急展開する下巻。そこからのカタルシス凄くて上巻のロマンスも意味があったと納得。いくつか読んだグレッグベアの中で一番好き。2026/04/08
roughfractus02
4
回想は危機に過去なる距離を与える。老女性政治家の回顧録後半では、物質から対立を発想するヒトの思考に起因することが示され、ナノテクと量子論でその解決の道が開かれる。なぜなら物質から発想する思考を持つことが対立可能な距離を作るのだから。原題はMoving Mars。量子レベルでMove=テレポートすると、原子は同じ配置を保てても電子は不確定性原理の制約を受けるという。作者はさらにマザー・シストなる一生命体を種とした生態系ビジョンを提示する。読後、語る「女性」を自分の世界から想像する支配側にいた自分を痛感する。2018/08/24
イツキ
3
その気になれば地球を一方的に壊滅させることもできる技術が開発されたことにより一気に緊張感を増す地球-火星間の政治的闘争がとにかく強烈でした。新婚の夫と過ごす時間もなく火星を存続のために奔走する主人公、次々に襲ってくる凶悪な現実に折れそうになりながらもできるだけ人命を尊重した決断をする姿が非常に印象的でしと。2026/06/21
マサトク
3
無茶苦茶読み出があって無茶苦茶面白かった。下巻ではついに「火星転移」が起こるわけだけど、そこにいたる物語、政治の大きなうねり、葛藤、そのあたり実に濃厚。本筋も関わり合うのかと思えた火星の生物学も、最後で豊かな世界を幻視させるのに奏功しているしな。政治家の自叙伝スタイルだったのもヨシ。いやー積んでた自分に猛省を促したい。2023/02/19




