内容説明
借金返済のため、若くして余命わずかな高齢貴族のもとへ嫁がされた男爵令嬢クロネリア。
社交界では『看取り夫人』と呼ばれ、もう幸せな結婚は諦めていた。
だが3人目の夫を看取るために訪れた公爵家で美貌の令息イリスと出会い!?
陰ながら支えてくれ「ずっとここに居て欲しい」と言う彼に、
クロネリアはようやく居場所を見つけることができて……?
【電子限定!】ここでしか読めない!書き下ろしSS「謎の看取り夫人ブーム」を収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nishiyan
13
借金返済のために若くして余命僅かな高齢貴族に2度も嫁がされたために「看取り夫人」の異名を持つ男爵令嬢グロネリア。3人目の夫である公爵の元へ赴くのだが、そこで眉目秀麗な令息イリスと出会って…という物語。感情表現に乏しい母を見てきたことで他人の些細な感情の機微に聡いグロネリアが前夫人の死後、家庭崩壊状態だった公爵家を立て直す様は興味深い。彼女の献身によって、公爵、次男で彼女に一番反発していたアークが陥落すると、いよいよイリスが…となるのも頷ける。実家との問題も精算できて迎えたラストはホッとするものでよかった。2023/05/21
ぐっち
12
余命わずかな相手にばかり嫁がされるクロネリア。相手に真摯に向き合ううちに「看取り夫人」と呼ばれることに…。苦労してきたヒロインが、最後は家族に恵まれ、幸せになる話でよかった。私から見ると公爵がいちばんすてきだったのだが…。2023/06/17
bulbul
7
ちょっとビックリするくらい家族と婚家の都合のイイ女で憐れだ。それなのに少しの幸せに前向きなクロネリア自身が好ましい。バツ3には驚いたけれど、最後は駆け足で不幸の元凶を潰したのは良かった。特に彼女が吹っ切ったのは、遅いよ!っとは思うけれど、クロネリアの未来がようやく開ける。良かった。2023/05/16
史
5
優しさに満ち溢れている。実家関連がちょっとお馴染みすぎるけども、そこはあまり重要ではないのです。人間誰しも後悔を持っている。それは氷のように硬く冷たいものである。だから彼女は溶かすのだ。溶かして、暖かさで最期の時を待つのだ。正直なもうちょっとスパンがあれば弟くんの方がよりロマンス。でもまあ短編なら仕方あるまい。好きですねえ。2023/07/06
こはぎ
1
ヒロインがかわいそうだったが、ハッピーエンドでよかった。2023/06/21