内容説明
服を見ればその人のすべてがわかる──被害者の痕跡に寄り添って未解決事件の真相に迫る、乱歩賞作家の新機軸クライム・ミステリー!
東京の高円寺南商店街で小さな仕立て屋を営む桐ヶ谷京介は、美術解剖学と服飾の深い知識によって、服を見ればその人の受けた暴力や病気まで推測できる技術を持っていた。そんな京介が偶然テレビの公開捜査番組を目にする。10年前に起きた少女殺害事件で、犯人はおろか少女の身元さえわかっていないという。さらに、遺留品として映し出された奇妙な柄のワンピースが京介の心を捉える。10年前とは言え、あまりにデザインが時代遅れ過ぎるのだ。京介は翌日、同じ商店街にあるヴィンテージショップを尋ねる。1人で店を切り盛りする水森小春に公開捜査の動画を見せて、ワンピースのことを確かめるために。そして事件解明に繋がりそうな事実がわかり、京介は警察への接触を試みるが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
65
仕立屋探偵シリーズ1作目。「法医昆虫学捜査官」シリーズでも感じたけれどマニアックな主人公が面白い。今回は服飾を生かしたお話。そちらの部門では専門でも警察とは繋がりのない人たちが、あれやこれやと知恵を出し合う。事件は現代社会の闇にせまるものだったが、キャラのユニークさに助けられて読みやすかった。2023/05/30
オーウェン
61
桐ヶ谷京介は服の形状やシワによって、その人の癖や体の状態が分かる人間。 京介がたまたま見たTVの公開捜査によって死んだ少女のワンピースが目に付く。 目の付け所が面白く、外見でどういう人間かを見抜くというのはよくあるが、服装でその人となりが分かるという能力。 よって死体が来ていた服を解析することによって、珍しい種類の服装であることが分かり、そこから事件の経緯や犯人にまで行きつく。 服飾知識がふんだんにあるし、キャラも魅力的なので続編があるかも。2024/12/24
papako
47
振り返ってこちら。ミツさんは2巻には登場しなかったのね。畑山さんは異動かしら。磯山さんは正当な罪だけで裁かれたのかしら。2巻を読んでからだと、どうしてもこの事件の先が気になる。そして桐ケ谷の洞察力は超能力級ですね。2巻だと南雲さん主導の関係だと思っていたけど、どちらかというと桐ケ谷からのアプローチだったんですね。でもやっぱりこのシリーズこれでいいや。2024/06/25
くりきんとん99
46
久しぶりに読む川瀬さん。今回は、仕立て屋探偵。服を見るとその服を着ていた人の状況がわかる桐ヶ谷が、テレビで見た10年前に殺された少女の事件に挑む。一体少女は、何者なのか?どうして殺されてしまったのか。法医昆虫学捜査官も面白かったけど、こちらもまた面白い。でも感情移入しちゃうのは大変そう。それにしても小春は、あの赤堀先生によく似ている。2023/07/28
したっぱ店員
44
2巻の短編集を先に読んでしまい、遡って第1作を。衣服のしわや歪みから習慣や性格、病気まで推理してしまう能力はとても興味深く、たくさん読みたいのに今回長編で事件が1つだったのでちょっと物足りない。しかし、徐々に警察の協力を得られていく流れや、きっかけとなるドレスの話も丁寧につづられていて面白かった。相棒の小春のキャラクターも楽しい。まだまだ読みたいシリーズに出会えた。2023/07/10
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