内容説明
最近になって、脳を作る基本的な発生機構は脊椎動物の誕生とほぼ同時にできあがっていたことが明らかになってきた。このときにできあがった脳の原型は、脊椎動物の進化という大洋を筏のように漂流し、各系統の確立とともに様々な形に結実してきた。しかしながら、これまでこうした多種多様な脳が人々の関心に触れる機会は極めて少なかった。本書では、そうした脳に隠された秘境のような場所を紹介していく。
本書ではこれまでにない試みとして、最新の古生物学の知識を取り入れ、脊椎動物の歴史を紐解きながら、様々な脊椎動物の脳、その形態や発生、そして脳の進化を論じる。これにより、顎の獲得や四肢の発達、飛行能力の獲得といった進化イベントの際に、脳にどのような革新が生じたのかを物語を読むように理解できる。
著者のユニークでわかりやすい語り口も本書の大きな特徴である。さまざまな巨大生物・怪獣・宇宙生物を例にしたり、いわゆるソウルライクな死にゲーをする際のキャラクターのステータス割り振りになぞらえて(このようなゲームでは、ゲーム内で得た金銭や経験値をもとにして、筋力・体力・技量・魔力を割り振っていく)、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「運動能力」といったステータスを上げるにはそれぞれの脳領域をどのように進化させるとよさそうか、そして実際の脊椎動物ではどうなっているかといった説明がなされたり、読者の想像力と妄想力が大いにかきたてられる内容となっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
2
ふむ2022/07/05
Go Extreme
1
脳の概略: 脳のはじまり 脳の進化を調べるということ 脳進化を探る際の心得 脳の進化発生学: なぜ発生なのか? 脳の発生 脊椎動物の進化 初期の脊椎動物の形態と神経系 脳の設計図 顎の成立と脳の改変 脊椎動物の繁栄 地上への挑戦 陸海空の制覇 脳進化の極致へ 再び海へ 脊椎動物以外の脳世界2021/08/09
gachin
0
ナメクジウオには中脳が無い。/ 円口類は橋と延髄の境界が不明瞭。鼻孔は不対だが嗅球は有対。赤核は無い。縫線核はある。三叉神経中脳路核(筋長モニタ)はない。 視床下部と終脳を合わせて二次前脳とする区画化もある。小脳はロンボメア1に形成。/ 軟骨魚類の小脳は大きい。魚の電気受容は側線。真骨魚は二次的に側線電気受容を獲得しており、中枢が下等魚類とは異なる。ナマズは顔面神経に半回枝なるものがあり、これが全身で味覚受容する。/ 鋤鼻神経・副嗅球系は、両生類に至る過程で嗅神経・嗅球系から分化していった。2025/12/21




