内容説明
この温かさ、誰かに伝えてください。致死率95%、凶悪なウイルスの大流行が収束した世界。感染から生還した者らは、瞳が白銀色に変化する異能力者、ヴァリアントとなっていた。救急救命科で働く医師岬純也は、公安に追われるヴァリアントの少女悠から接触を受け、ある計画を打ち明けられる。そして純也は、彼らの生存をかけた闘いに巻き込まれてゆく――。読む手が止まらない最高のエンタメ長編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
141
★★★★★★☆☆☆☆未知の感染症を扱った知念実希人の長編。世界中で猛威を振るった致死率95%のウイルス。生き延びた感染者は白銀の瞳と超人的な能力を持つヴァリアントとなり監視下に置かれる。感染歴を隠し生きる医師・純也は、隔離施設から脱走した少女からある計画を持ち掛けられ…。パンデミックに怯える社会は初期のコロナ禍を思わせるが、人々の忌避意識がもたらす差別の描写はむしろハンセン病のそれに近い。疾走感とエンタメ性に全振りしたような展開だが、さすがに最後のアレを生中継したら社長の首が飛ぶくらいでは済まないだろう。2024/05/08
はにこ
84
作者のウィルスとか病気の知識がさすが医者だとは前から思っていた。しかし、近年の作品はそこからさらに想像力を加えているのが凄い。架空のウィルスと政治。まるでコロナ禍を予期したかのような作品だった。コロナ禍でも隔離されたし、感染を恐れた。エイズが世の中で騒がれ出したときも性交渉のことが取り沙汰された。そしてヴァンパイアのような後遺症。やはりこの作家からは目が離せないなと思った。2023/12/02
えみ
71
再読。その白銀の瞳は拒絶という闇が覆う世で光沢を放ち、何を見る?絶望か憎悪か未来への希望か。ウイルスに侵され「ヴァリアント」となり、白銀の瞳と超人的な肉体を手に入れた感染者達。代わりに失ったのは陽の光。そして「人間」としての存在。人として生きる当たり前の人権。感染したその日から、彼らは皆、化け物になった…。あまりにも惨い。感染者を利益の為に利用しようと企む者がいるという事実、己の欲の為に多くの犠牲を払うことも厭わない事実、復讐の幻想に踊らされた事実。踏み躙られた想いと歪められた真実に悲劇の大きさを知る。2023/05/21
よんよん
64
未知のウイルスが引き起こしたパンデミックは世界の人々を震撼させた。致死率95パーセント!罹患して生還した人間は超人的な能力を持った。そして、プラチナに輝く瞳。化け物としか見られない偏見と差別。まさに読み出したら止まらない最高のエンタメ小説。映像化もあり?2023/08/28
ミーママ
49
図書館の本📚️ 致死率95%の凶悪なウイルスの流行。感染から生還すると白銀色に変化するヴァリアント。 コロナ流行前に書かれた作品と知って驚いた‼️ やっぱり凄いなー これも知念作品は読み続けたい‼️ 2024-152024/02/15
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- 和書
- スペイン学 〈第24号〉