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内容説明
ニヒリズム(虚無主義)について、ニーチェは永遠回帰を説き、「徹底的にすべてが無意味」とした。そんなニヒリズムが「明るい」とは?―著者はニーチェが永遠回帰を生きる上で「力への意志」を持ち出したことに疑問を呈する。ニヒリズムは克服したところで何もない。時間とは?客観的世界とは?私とは?徹底した思索のすえに「真正(明るい)ニヒリズム」へと読者を誘う鮮烈な哲学論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
51
久しぶりにこの著者を読む。図書館本。題名からニーチェの解説本かと。過去は存在しないということを、カント、フッサールなどの引用などから論じていく、当たり前のことを細かく論じていて、哲学するとはこういうことだ。永井均の本が好きな人には共感できるだろう。ただし、哲学の知識や考え方に慣れてないと戸惑うのは必至。中島の師、大森荘蔵の考えまでもでてくる。こういう論議はよく読んでいた時期があり、懐かしく戦慄を覚えながら楽しめた。「過去」の性質について、個人的に感じていたところがあり、ヒントになった。購入する予定。2017/02/19
テツ
14
過去はこの宇宙の何処にも保存されていない。未来はやってきやしない。過去─現在─未来という繋がりは人間が想像(創造)した発明品であるということを、カントやフッサールの言葉と共に解説していく。必要に迫られて生み出した概念とはいえ、過去と未来って人間を縛り上げる謂れのない呪いだよなあ。そうしたモノに幻想を抱かず、それらへの憧れから解き放たれ思考し、今この瞬間だけが在るという考えに至る哲学の流れ。浪漫から解放されたそれは正にタイトルにあるような『明るいニヒリズム』だ。2022/08/13
オランジーナ@
5
客観的世界は幻想である。と、難しい言葉で書いてある。いやでも、この世界はあると思いますよ。観念論?は逃げだと思うのです。自分が死んだ後も世界はあり続けるし、人類が滅亡しても地球はあるんでしょう。それは観測できないが。2017/03/03
ジモー
0
中島義道のエッセイ以外の著作は初めてのような気がする。しかし、よくわからない。永井均のはかなりわかるのだが。2016/11/09
Takeru Takahashi
0
過去はどこにも保存されていないのに、我々はどのように過去を過去と認識しているのか。タイトルからもっと軽めの内容を期待していたが相当に重かった。「明るい」の意味は最後に出てきます。2016/01/27