内容説明
本土よりもずっと早く<観光>を主要産業化せざるをえなかった戦後沖縄。観光研究としては、従来分かりやすい沖縄イメージを用いた表象研究が多いなか、新たに風俗産業資料等を数多く発掘し光を当て、1972年沖縄返還と75年沖縄海洋博前後からの風俗観光産業に従事する経営者や特に女性従事者の「本音」を資料に語らせつつ、本土やアメリカへの迎合と従属への反発や抵抗をリアルに読み解く、戦後沖縄研究の新境地。図版多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
つまみ食い
8
野木亜紀子さん脚本の『フェンス』を見たのち、沖縄と基地、本土、性の関係が気になり読んだが、まるで原作であるかのように呼応関係があり(この本の著者同様、野木さんがそれだけ沖縄に関する問題のリサーチをしたということもあるのだろうけど)興味深く読んだ。特に単純に強い本土と米軍、周縁的な沖縄というよく見る構図だけでなく、沖縄で売春を行う本土女性や歓楽街で働く米軍女性兵士、沖縄での男尊女卑の構造や沖縄で売春を行うフィリピン女性など沖縄の内部での複雑な搾取も見え、知らなかったことがとても多かった。2023/06/04
二人娘の父
5
奥付を見ると1993年生まれと大変若い研究者の労作であることが分かり、とても勇気づけられた。沖縄と観光、そして「性」を歴史的にたどりその本質に迫る視点には大変な共感を覚える。「基地なき経済発展」が沖縄にとっての大切な進路であると私は考える。そのためにも沖縄の経済を支える産業=観光の歴史をたどる作業は欠かせない。そしてそれに付随してしまう「性産業」構造の分析も欠かせないものである。本書はこの二点に焦点をあてている点で貴重な研究である。著者の今後の活躍を心から願う。2026/07/15
Hiroki Nishizumi
2
観光は産業として重要であるが、やはりミズモノだ。何か地道な二次産業育成が必要だと感じる。2023/06/27




