新潮新書<br> 交通崩壊(新潮新書)

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新潮新書
交通崩壊(新潮新書)

  • 著者名:市川嘉一【著】
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 新潮社(2023/05発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106109973

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内容説明

日本の交通行政は「部分最適」の集合体である。新幹線の延伸によって寸断される在来線のネットワーク。欧州で復活続くも日本では広まらない路面電車。自転車に加え電動キックボードも乗り上げカオス化が進む歩道。権限を警察が握り、「まちづくり」の観点での施策が進まない道路行政……。そろそろ全体最適を意識した総合的な交通政策を構想すべきではないか。都市・交通問題に精通したジャーナリストによる提言。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

122
今朝の日経朝刊には、2030年で全国のバス運転手が3割不足するとの予測が出ていた。すでに実家のある地方では鉄道は1時間に1本、バスは2時間に1本の有様で、車がなければ何もできない状態だ。もはや「部分最適」すら実現できなくなっているが、国の交通行政は先を見据えた長期構想のないまま目先の調整に明け暮れている。LRTやEV、電動キックボードなど多様な交通手段が登場しているが、当局者は規制を考えるばかりという。新幹線と高速道が不要となる未来の交通はいかにあるべきか、政治が想像力をもって取り組まねばならないのでは。2023/09/18

なっぱaaua

44
交通政策の不在、ローカル鉄道の意義、路面電車が欧米の様に再展開できない理由、EVシフトする車、歩道・自転車の在り方&23年7月道交法改正による電動キックボードのリスクが述べられている。確かに日本の交通行政は場当たり主義でお役所的である事は否めない。例えば自転車の走行は原則車道であることさえも知らない人が多く、理不尽にも歩道を歩いていて自転車にベルを鳴らされた経験がある人もいるのではないか。取り締まりを強化しても一瞬。でも道路が狭くて自転車で車道を通るのも危険な箇所も多いのも事実。~続く~2023/06/15

よっち

36
「部分最適」の集合体である日本の交通行政。都市・交通問題に精通したジャーナリストそろそろ全体最適を意識した総合的な交通政策を構想すべきではないかと提言する一冊。新幹線延伸で寸断される在来線ネットワーク。欧州で復活続くも日本では広まらない路面電車。自転車に加え電動キックボードも乗り上げカオス化が進む歩道。権限を警察が握り「まちづくり」の観点での施策が進まない道路行政。確かにこれまで事業者任せにしてきた状況を変えなければ、今後ジリ貧にななってゆくのは間違いなくて、トータルデザインの必要性を改めて痛感しました。2023/06/25

うえぽん

35
国交省関係の審議会にも長く参加している日経記者による渾身の著作。福井の居住経験があり、読んだ週末に富山・高岡に訪問していたため、内容を実地で確かめながら読めた。類書より優れた点は、筆者の長年の経験に加え、海外事例も含め、鉄道やトラムの事業に係る財源を丹念に記述しているところ。安定的な税財源がなければ、自動車ユーザーを含めたニーズの掘り起こしに直結する高頻度サービスは不可能というのが、筆者の主張である。富山市のトラムは場所によるが、4〜5分ごとに来るエリアもあり、現地居住の元同僚も利便性を強調。納得できる。2023/11/06

ピンガペンギン

30
著者は元新聞記者の交通ジャーナリスト。2000年に仏ストラスブールで歩行者優先のまちづくりを取材。JRローカル線は経営が厳しく、地域鉄道事業者の72%が経常赤字だという。(P72)何に優先して税金を使うか、どういう都市にしていくか、ということが問われていた。財源問題は大きい。滋賀県では条例(広く県民に負担してもらうため)を検討していた。大都市、特に東京圏は電車網が充実していて、どこでも行けると思うが、地方にいけばいくほど不便で車が無いと移動が難しい。これは放っておけば東京一極集中に拍車がかかるばかり。2025/07/22

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