内容説明
大陸に住む者は、金、水、木、火、土のいずれかの属性を持ち、胸もとに印を宿して生まれてくる。だが、神王から金属性を引き継いだ金襴国の王族として生まれながら、璃璃は印を持たない『無属性』。つまり、生まれながらにして落ちこぼれの姫だった。しかし、跡継ぎには兄がいるため問題にはされず、蝶よ花よと愛される日々を過ごしていた。ところが、父王と王太子の兄が立て続けに流行り病で亡くなる。すでに母も亡く、璃璃は幼い頃に決められた婚約者・翠璋と結婚し、即位することになるも彼に嵌められ、兄殺しの罪を着せられる。従者の蒼仁と出奔した璃璃は、翠璋の謀略を暴いて国を取り戻すべく、過酷な運命に立ち向かう!
目次
第一章 木の簒奪 金の夢魔
第二章 金の覚醒 水の加護
第三章 水の恋慕 火の試練
第四章 火の団結 土の解呪
第五章 木の暴挙 金の帰還
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
金水木火土いずれかの属性を持ち、胸元に印を宿して生まれる大陸。印を持たずに生まれた金襴国王族・璃璃が、婚約者・翠璋の謀略で家族と国を失い、過酷な運命に立ち向かうファンタジー。愛される日常を過ごす日常から一転、流行り病で亡くなった兄・王太子の死の真相に気づき、従者の蒼仁と出奔する落ちこぼれ姫。向かった彼の出身地・青金地区や協力を得るために訪れた石榴国で、民たちの苦境に真摯に向き合い、経験を積み重ねて認められて成長して、大切なものを取り戻すために立ち上がった彼女が迎えた微笑ましい結末はなかなか良かったですね。2023/04/19
栗山いなり
5
父王と兄を亡くした上に無実の罪を着せられ国を出るハメになった姫が従者と共に国を取り戻すための旅をするファンタジー小説。何というかゲームのストーリーでありそうな王道のファンタジー小説だと感じた2023/05/13
bookshelf_yt07
4
人々に五行の力が宿る世界が舞台。金の力が宿る国の姫なのに、力が宿らず無能で箱入りお嬢様な璃璃が主人公。しかし、父王や兄を殺され国を追われた璃璃。腐敗していく故郷を救うために立ち上がる。 中華風のファンタジー。2023/10/25
史
4
すごく好きなストーリー。しかしダイジェスト過ぎるのが大きな欠点か。悪意と陰謀によって国を奪われたお姫様が、素質を開眼させて、苦しむ人々を救済していく。そして最後に返り咲く。中々の王道でございましょう。だからこそ、一つ一つの国々でみっちりきっちりして欲しかったなあと。同じレーベルからそういう話出てましたからね。一巻で終わる良さもあるけれども、やはり英傑譚は濃く味わいたい。でも悪くはない。2023/07/10
よっしー
3
1冊完結は読みやすくて良いのだけど、もう少し二人の進展とかも見たかったな。2023/11/12