怒られの作法 ──日本一トラブルに巻き込まれる編集者の人間関係術

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怒られの作法 ──日本一トラブルに巻き込まれる編集者の人間関係術

  • 著者名:草下シンヤ【著者】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 筑摩書房(2023/04発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480816894

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内容説明

クレーム、炎上、人付き合い……揉め事ぜんぶ平気になる。手掛けた書籍は累計発行2000万部以上! 裏社会の最前線を渡り歩いてきた作家・編集者が明かす、究極の「他人と向き合う技術」。

目次

はじめに/第1章 「怒られ」とは何か/「怒られ」とは、怒りの外在化である/怒りのスイッチが刺激されやすいSNS社会/「トライブ化」する現代の怒りと怒られ/「怒り」と「怒られ」の違い/なぜ怒りを「怒られ」と捉えるのか/「怒られ」を究めれば「諦観」になる/全てを「怒られ」と捉えるのは得策ではない/第2章 人はなぜ怒るのか/怒りは「コミュニケーションの手段」でもある/怒りには「感情」と「利害」の2軸がある/怒りの3つのパターン/【1 意思表示(反応としての怒り)】/怒りの背後にある「傷つき」に目を向ける/「狂ってる」と恐れられたヤクザが抱えていた悲しみ/常識や礼儀作法は怒りを買わないための〝お守り〟/【2 自己防衛(怯えからの怒り)】/焦りから無意識に相手を攻撃してしまう/被害を〝公然の事実〟にして嫌がらせをやめさせる/戦うときは一気に、一刺しで/【3 目的達成(手段としての怒り)】/相手が威圧してきたときは、自分が有利だと思え/こちらから「誠意」の意味を考えてはいけない/「場面」を作られたときは黙らない/脅されたときは「訴えてくれ」と言う/恐れを克服するためには「知識」が必要/パニックになったときほどルーティンを守る/「叱られる」経験は自分に変化をもたらしてくれる/「個人」と「システム」の両面から対策を考える/怒りは成長の起爆剤にもなる/第3章 人はなぜ怒られたくないのか/人間関係のトラブルは完全には防げない/コンビニバイトでおじさんに怒られた思い出/高校2年生でヤクザにボコられる/本当に怖いのは、怒られることではない/怒られることのリスクを正しく評価する/【1 身体的リスク】/脅しの9割はハッタリ/「「ヤクザ者」ってバカにしてんのか?」/「恫喝タイプ」には質問を繰り返す/冗談で会話に〝風〟を入れる/「無言タイプ」には沈黙を貫く/本当に暴力を振るってくるような場合/【2 訴訟(金銭的)リスク】/裁判にかかる時間とお金は?/「訴えるぞ!」は脅迫罪になる可能性がある/裁判は「怒りの冷却装置」である/【3 信頼性のリスク】/隠したい失敗ほど正直に話す/「隠したいという心理」こそが罪/身を守るためではなく、納得するために怒りに向き合う/人間関係のリスクとコストは、戦っても逃げても同じ/問題に決着をつけないことで自分が飲みこまれる/第4章 どのように謝罪するべきか/謝るべき場面とそうでない場面を見分ける/ダメな謝罪のパターン/国民的人気アニメの原作者に怒られる/謝罪は、社会について理解を深める絶好の機会/時には金で解決するのもアリ/謝意は主観で、実害は客観で話す/会社に乗り込んできた男・オダカの話/謝っているときも「ダメなものはダメ」と言う/被害と謝罪のレベルはイコールにする/新聞拡張員からクレームが入った話/謝罪には「生き方のスタンス」が表れる/トラブルは自分では解決できないし、相手に許してもらおうとも思わない/「怒羅権」の初代総長に会いに行った話/謝罪は勝ち負けではなく、相手との協同作業/第5章 炎上の傾向と対策/利害ではなく感情によって判断される/炎上とは「大喜利」である/真逆の理由で同時に怒られたユーチューブ番組/ヤクザとヤクザの板挟みになって炎上/「アンチ」と「正当な批判」を区分けする/中傷コメントの原因は、自分ではなく相手にある/相手は「暇つぶしのネタ」として見ている/自分に非があるときは、2段階で謝る/炎上に加担している人間は全体の約1%/それ、俺が書いたんだけど?/校了直前でパクられたD.Oの話/炎上しないためには「逆ブランディング」をせよ/常に軽く燃えておく/第6章 人間の複雑さを見つめる/そもそも人は完全になどわかり合えない/他人の生き方を変えることはできない/他人の価値観も変えることはできない/能動的に諦めるということ/相手を「絶対悪」とみなすのは危険/相手の背後にある「弱さ」に目を向ける/諦めることは感情を殺すこととは違う/私が作家を目指した理由/自分の未熟さを知る/諦観の先に物語がある/おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

25
Twitterにさんざん耽溺しておきながら「怒られ」を知らなかったの恥ずかしいぃ〜!うちのお客さんで「怒られる」ことに過剰反応するのがお悩みって方がチラホラなので、その参考になるかなと思って手に取ったのだけどかなり違ってた。これはほんま893に向き合うには有効な本だと思います。893には893のルールがあるから、それに乗っ取って相手の怒りをどうするかってことには著者の貴重な経験から具体的な対策が講じられているけど。世の中には理屈もへったくれもない、893よりタチの悪い人がいるということです。肝に命じよう→2023/05/25

羊山羊

18
下手なアンガーマネジメント本よりこっち。アウトローの専門家、草下シンヤ氏によるトラブル解決法をまとめた1冊。接客業従事者は必読級。全事業所に1冊おいておいてもいいんじゃないか。草下シンヤ氏の純粋な経験のみに基づいている時点でもう説得力と迫力が尋常じゃない。それが明快に言語化されたうえで体験そのものもエキセントリックで面白いとなったらそりゃ一気読みも当たり前だ。→2023/05/06

えりまき

17
2023(192)「怒られる」ではなく「怒られ」という考え方を初めて知りました。「自分が怒られているのに、まるで他人事のように相手の怒りを受け流す。」ことらしい。なかなか興味深い。「花札の『おいちょかぶ』では、「8・9・3」の目が出ると最も弱いブタの目になることから、転じて役に立たない者のことを「ヤクザ」と呼ぶようになったという説があります。」という説も初めて知りました。怒られた時は、相手と向き合うことを心掛けたいと思います。 2023/07/09

ただぞぅ

10
他者からの怒りを外在化した「怒られ」。SNS上に登場して久しい。現代社会で他者からの怒りから逃げ続けることは難しい。ヤクザや半グレなど裏社会を取材してきた著者。揉め事は日常茶飯事の海千山千の物書きとして怒りの本質と向き合い方について紹介されている。怒りには「感情」と「利害」があり、切り分けすること。そして怒りの原因に視点を合わせ話し合うことが大切だ。また謝罪してもトラブルを解決しようと思わないこと。許すかは相手の判断。相手の話をよく聞き自分の意見を伝えるだけ。なぜなら人は完全にはわかり合えないから。2024/03/06

meg

8
タイトルから勝手にメンタル本を期待して開いたら、全然違った(笑)。裏社会にまつわる本の取材や編集をしてきた著者ならではのエピソードを交えながら、「怒られたらどうするか」について書かれた本書、かなり実用的で興味深く読ませてもらいました。大事なのは相手をよくみて、話を聞くこと(感情と利害どちらによって怒っているのか?)。自分の軸を持って(←これが難しいと思う…)、自分にできることできないことを明確にすること。「怒られることの全てを無意味だとは思わないでください」という終盤の一文が、めっちゃ刺さりました。2023/06/02

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