内容説明
中学校生活をおくるのが不器用な子にエールをおくる、ちょっとビターな青春小説です。
木(き)佐(さ)貫(ぬき)桃(もも)は中学2年。母の再婚によって、2学期から名字が変わりました。本人にとってはどぎまぎするできごとですが、クラスメイトには、違和感があるのは最初だけ、慣れれば別にどうということのない小さな変化だとばかり思っていました。でも、9月の終わりの文化祭で、開催する予定だったミスコンを職員会議で禁止されたことから、2年1組は「いい人ランキング」といういい人を選ぶコンテストを行うことになります。木佐貫桃が第1位になり、そこからクラスの空気が変わりはじめます。小さなきっかけが、さまざまな連鎖を引き起こし、少女が追いつめられていく過程、そして、友人と妹の協力によって意外なところから、その状況を打破していく姿が、いきいきと描かれています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
94
人が言うことを全く疑いもせず鵜呑みにして、空気が読めず似たような経験がある。とにかくボーッと毎日を過ごしていた中学時代。時が経てば「そうだったのか」と思いあたることもある。大人になったら何でもないことが子どもには堪える。子どもの頃には気付かなかったことに今更ながら「ごめんなさい」と心のなかで謝ることもある。一筋縄では行かないし、いつもいい人でも居られない。当たり前。わざと人を傷つけるようなことはしたくない。女子にとって中学時代はまさに修行の時代。桃の鈍感さに少しイラッとした読書だった。結果オーライだね。2018/08/17
真理そら
60
巧妙ないじめは超絶天然の女の子・桃にもさすがに応えたが、いじめに加担しないのは立派だし、何事もなかったかのように友達面してくる人たちにも普通に接するのはすごい、でもこの学級の記念写真は一生見たくないんですよね。いじめについての作戦を練る「師匠」を好きな鞠ちゃんがおかしなことして姉妹関係がややこしくならないといいんだけどと思いつつ読了(なぜなら相当人間不信を拗らせた師匠はきっと天然の桃ちゃんが好きだから)2024/07/01
takaC
57
いじめって線引きが難しい。2019/02/07
えりこんぐ
51
尾島くんがいい人キャラじゃないというのが、逆にいい! 誰でも一面だけでは出来てない。桃ちゃんには黒い部分をもう少し身につけていってほしい。それにしても、仲良しの友亜も態度が変わってしまうのね。。そして何事もなかったかのように戻るのね。。2016/11/08
りんご
49
今日職場に持っていく本を忘れちゃった!そんな時には電子図書館よ!すごいねーすぐ借りて読み出せるねー。で一気に読んじゃいました。中学生のいじめの話。声の大きいやつが「あいつウザくない?」って言ったらゲームスタート、みたいなのね。嫌だなあ、ほんと嫌だ。主人公女子がクラスで「いい人ランキング1位」にされてパシリにされたりなんやかんや。んで飽きたら声の大きいやつが逆にハブられる。順繰りっす。嫌な思い出はいつまで経っても嫌のままだ。しれっと無視してしれっと戻ったきた女友達だってわしゃ許さんぞ?2024/05/29




