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内容説明
「効率を優先する現代社会で、働くことの意味を考えさせてくれる一冊」出口治明(「朝日新聞・書評欄」)
生きているうちに完成をみない仕事にやりがいを感じられますか?
英国で言葉を紡ぎ生きる人々の生き方を通じて文化の豊かな価値を提示し、効率重視の社会に生きる私たちの働き方を問うノンフィクション。
法の支配を定め、民主主義の基本となった「マグナ・カルタ」を正確に読み解くために必要なのが、中世ラテン語辞書。
英国は二〇一三年末、準国家プロジェクトとして『英国古文献における中世ラテン語辞書』を完成。
プロジェクト始動は第一次世界大戦が始まる前年の一九一三年。辞書の完成までに費やされた時間は百年。
新聞社の海外特派員記者として英国駐在した機会を活かし、著者は本書を書き上げた。
ラテン語の言葉の豊かさと歴史、現代日本で辞書を編んで生きる学者や編集者へのインタビューを通じて文化的活動の価値までを描き出すノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クレイン
5
めちゃくちゃ面白い。 こんなに面白く読めたのは久しぶりかもしれない。 辞書を作成するプロジェクトに関わる人の考え方などを丁寧にインタビューして記載してくれている。 登場人物が皆々様とても素敵な人ばかり。 書き手の推測も多いが、普段あまり考えない領域の話が多く楽しめた。2023/12/12
真塚なつき(マンガ以外)
3
帯にもあるし「おわりに」に明言してるのでまあいいけど、中世ラテン語や辞書編纂そのものへの関心はそれほどなくて、それらを材料にして「経済合理性や効率一辺倒のスピード重視な資本主義経済のなかで、時間や効率を超えた楽しみや幸せや文化を築いていくこと」を書きたい本だったので、中世ラテン語辞書への興味から手にとった僕には肩透かしだった。第一章冒頭でジョン王を「この王は大陸の領地を失ったことで「欠地王」「失地王」と呼ばれ」と初歩的なミスをしているし、インタビュイー各位の話は面白かったけど、本としてはなんだかなぁ……。2024/03/26
mft
2
著者が「僕」という一人称で語り始めるのが邪魔くさい。プロジェクトそのものを見たいのに、プロジェクトから「僕」が感じたことという煙幕を張られてしまう。期待の3割ぐらいの内容だったかな2023/07/07
たこまんま
2
まあまあ面白かったことは確か。とはいえどうも読後感が良くなかったので理由考えてみたけど、これ「ノンフィクション本」じゃないんですよね。表紙とあらすじから辞書作成に関わる悲喜こもごも的な内容を期待して読んだけど実際のところ、そういった話をしてるのは半分ぐらい。特に後半なんかはほとんど筆者が辞書や言語に感じたことを書くエッセイになっちゃってて「そういう」話ではなくなってる。しかもノンフィクションを謳ってるわりに「なのだろう」って筆者の推測ばかり。こっちが知りたいのは事実であって作者の思想とかじゃないんだよなぁ2023/06/28
志村真幸
1
著者は毎日新聞の記者ののち、ノンフィクションの世界へ転じた人物。 本書は、2013年にイギリスで完成した『英国古文献における中世ラテン語辞書』を取材したものだ。1913年に編纂がスタートしたため、ちょうど100年かかったことになる。編纂作業に携わったひとたちにインタビューし、百年もの時間を使う価値と意義を見出していく内容。 ていねいに取材されており、『英国古文献における中世ラテン語辞書』がいかに重要でありながらも、少数のひとたちにしか需要がないかが示される。それでも必要な仕事だと分かるところがミソ。2025/08/08
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