リアリティ+(プラス) 下 バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦

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リアリティ+(プラス) 下 バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦

  • 著者名:デイヴィッド・J・チャーマーズ/高橋則明
  • 価格 ¥2,530(本体¥2,300)
  • NHK出版(2023/04発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140819371

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内容説明

VRは“真の実在”なのか? さまざまな思考実験をもとに新たな「現実」に迫る!

はたして私たちは自分がいまシミュレーションの世界の中にいる可能性を排除できるだろうか。すなわち例えば、『マトリックス』のネオのように、自分では気づかずに機械の生み出す仮想の世界を生きている、という可能性を排除できるだろうか。そして、もしそれができなければ、いかにして私たちは自分がいま生きている世界が偽りのバーチャル世界でないことを確かめられるのだろうか。これが本書で取り組まれる中心的な問題である。チャーマーズはこれにさまざまな角度からアプローチするのだが、彼は究極的には《私たちは自分がシミュレーションの世界を生きている可能性を排除できない》という点を認める。
――山口尚 本書「解説」より

【内容】
第5部 心と意識の問題
 第14章 バーチャル世界で、心と体はどう相互作用するか?
 第15章 デジタル世界に意識は存在しうるか?
 第16章 ARは心を拡張するのか?
第6部 倫理と価値の転換
 第17章 バーチャル世界で良き生を送ることができるのか?
 第18章 シミュレートされた命は重要か?
 第19章 バーチャル社会をどのようにつくるべきか?
第7部 シミュレーションの中の真実
 第20章 バーチャル世界で私たちの言葉はどういう意味を持つか?
 第21章 塵の雲はコンピュータプログラムで動いているのか?
 第22章 実在は数学的構造なのか?
 第23章 私たちはエデンの園から追放されたのか?
 第24章 私たちは夢の世界のボルツマン脳なのか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

31
ヴァーチャル・リアリティを論じながらその思考/議論は哲学や脳科学、テクノロジーといった分野を自由自在に横断する。あまりにレンジが広いこともあり、私はこの本を理解できたとは口が裂けても言えない。再読・再再読が必要となろう。闇雲にヴァーチャル・リアリティを称賛するのではなく、否定するのでもなくまず多彩な角度から丹念に眺め、捉え直す。その姿勢がそのまま本書の議論の濃さとつながっているのだと思う。この本は確実に、これから登場しうる議論のたたき台として重宝するのではないか。あるいは安易な議論を封じる要石となるのでは2023/04/12

mim42

6
「外部世界についてのグローバル懐疑論」を否定するためのロジック。長くだらだらと読んだせいか、なぜそれが良くないんだっけ?というところから始まり諸々掴みそびれた。空想科学読本的な仮説に基づき科学的ではないプロセスで別の仮説がカスケードするかのような。下巻は上巻に比べ必須度が低い部分が多そう。あっち行ったりこっち行ったり感。全体で120ページぐらいにまとめて欲しい。 双子地球の伝統的議論をシム地球に応用するところや、パトナムと向き合うパートは好き。セラーズの「マニフェストイメージと科学的イメージ」の区分は微妙2023/07/22

Myrmidon

3
現代の「心の哲学」等におけるトップランナーであるチャーマーズによる一般向けの哲学書。「この世界はシミュレーション内の世界である(かも知れない)」というシミュレーション説を基本に、「シミュレーション内であろうと、我々の認識する事物はリアルだ」という主張が主眼。はじめは「オッカム」と一言唱えるだけで終わる議論かと思っていたが、ボストロムの統計的推論の話は面食らった。「世界はシミュレーションだ」と説得された訳ではないが、コレを倒すには確率や統計概念を駆使する必要がありそうだ。残念ながら本書の興味はそっちではなく2023/07/11

Akiro OUED

3
実在は、数学的な構造ではない。なぜなら、数は因果的な力を持たないから。そうかな。述語論理は矛盾を含まないのに、そこに自然数の構造を入れた途端、ゲーデルの呪いが立ち上る。フェルマーの最終定理は、数の因果的作用を例証する。オッカムは、本書のクドい議論全体をバッサリ切り落とすかも。2023/06/10

Shori

2
テクノロジーと現代哲学の接点を垣間見ることができた。シミュレーション仮説への有効な反証がないことは衝撃的。だが、だとしても、われわれのリアリティは揺るがない。考えすぎてもしょうがない、とは言わせない迫力に正直少したじろぎつつの読了。2023/11/18

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