内容説明
まちなかの植物に秘められた、驚きの生きる知恵! 読めばいつもの散歩が変わる。
野に咲くスミレの花には、なぜ天狗の鼻のような出っ張りがあるのか。ナンテンやセンリョウ、マンリョウなど、どうして冬は赤い実をつける植物が多いのか。アジサイの花はなぜ青から赤みがかっていくのか。育てている花やまちなかで見かける樹木など、身近な植物の姿かたちの理由や戦略を知ると、その美しさと生きる知恵に驚くとともに、家族や友達との会話も弾む。
テキスト『趣味の園芸』2020年4月号~2022年3月号に連載した「植物のデザインを考える」の書籍化。
著者は植物生態学の第一人者であり、メディア、観察会、講演会など多方面で大活躍中の多田多恵子氏。雑草のみならず、園芸植物や樹木、多肉植物なども含めた、まちなかの植物の美しさと楽しさを語りつくす。
巻中には、花や葉のつくり、植物の名前や調べ方についてなどをまとめた「道草ガイド~植物をもっと楽しむために」を収録。
第一章 春の道草
その1 新芽の赤
その2 咲いた、すぼんだ、チューリップの花
ほか
第二章 夏の道草
その1 人も虫も魅了する梅雨のアジサイ
その2 巻きひげはただ巻くのみにあらず
ほか
巻中付録 道草ガイド~植物をもっと楽しむために
花のつくり/葉のつくり/植物の調べ方/植物の名前
ほか
第三章 秋の道草
その1 飛ぶタネ
その2 果物のつくり
ほか
第四章 冬の道草
その1 植物の色素と花の色
その2 冬を彩る赤い実の戦略
ほか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
83
春夏秋冬、散歩やまちなかで見られる植物と、植物についての説明は平易な文で書かれていて読みやすかった。今月に入ってからとても気温が高い日が多くなってきている。春夏秋冬という言葉が通用しなくなってきていると思う、植物にとってこの気温の変動はどんな影響を与えるのだろう。春になって桜が咲いて、夏はひまわり・・・・季節の節がどこからどこまでかわからない時代だ。そして極端な気象。植物を丁寧に観察すると小さな変化に気づくようになるのかもしれない。図書館本2024/02/13
けんとまん1007
49
これまで眼にしたことのある植物も多い。しかし、こうやって提示されると、いかに、見ていないか・・を考えてしまう。また、それぞれの意味や役割も知らないことが多く、新鮮な気持ちで見ることができる。植物に限らないが、進化ということの凄さ・素晴らしさを、とても、ありがたいことだと思う。タイトルにある2文字、道草。そういえば、道草を食うことが、なくなったなあ~と思う。そうだ、今度、立ち止まるだけでなく、しゃがんで見てみようと思う。2023/06/16
booklight
33
親しみやすい文章で、結構高度なことが書かれているので、最初は読むのに時間がかかったが、慣れてきてからは楽しかった。鹿が神様の金華山という宮城県の島では、大半の植物が刺や毒を持ち、アザミなどの植物の刺も他の地域と比べて大きいとか、赤い実は鳥向けで多くの鳥に食べてもらうため、まずかったり毒があったりするとか。畔に咲く曼殊沙華は、毒でネズミやモグラが畔を壊すのを防ぎ、困窮時には根を洗って毒を出せば食用になるとか、百日紅の幹は蔦が絡まないようにすべすべしているとか、知っていることも他の知識と統合できて面白い。2024/09/07
みさどん
19
きれいな写真と分かりやすい説明で野花を楽しめる。庭を管理する側としては雑草の花を楽しむ余裕はないけれど、植物の戦略や驚きの仕組みは知っておいて損はないかな。葉っぱを切ればそれ以上伸びない種類とか除草のタイミングなどを知れたらありがたいけどな。野スミレなんて、花はかわいいけれど種をびゃんびゃんとばして増えちゃうのだ。2024/01/04
宇宙猫
19
季節ごとの植物について科学的に解説。割と初歩的な内容。2023/06/28
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