華ざかりの三重奏

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華ざかりの三重奏

  • 著者名:坂井希久子【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 双葉社(2023/04発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575246216

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内容説明

独身で子供のいない可南子は、もうすぐ還暦を迎える。これまでは仕事一筋に頑張ってきたが、定年退職したあと、どう生きればいいのか途方に暮れている。そんな中、子育てと介護を終えたかつての友人・芳美から、一緒に暮らさないかと誘われて…。それぞれ人に言えない悩みを抱える迷える六十歳たちは「人生の問題」にどう向き合うのか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

348
故郷で開かれた中学校の同窓会で60歳定年間近のアパレル会社勤務の独身キャリア・ウーマン可南子は、中学時代の大親友だった未亡人の芳美と再会して、この町で同居して一緒に暮らさないかと誘われて考えた末に都会を離れる一大決心をする。若い日に共に嵌まった少女マンガのコレクションに朝から晩までどっぷりとのめり込む毎日、これでいいのだろうか?とも思いながら二人は未知の還暦ライフを突き進んでいく。私は男で少女漫画の世界とは無縁の人生でしたが、それ以外はほぼ似た境遇にありまして大変興味深く読みまして大きな勇気を貰えました。2023/05/19

いつでも母さん

178
45年振りに中学校の同窓会で再会した還暦の二人。自分のためだけに生きてきた可南子と、嫁・母・妻として家族のために生きてきた芳美。芳美の純和風の一軒家で『共助』の名の下に一緒に暮らす物語。中学時代に夢中になった大好きな漫画がそこかしこに登場するのも世代的に面白かった。途中、近所の男子中学生の力を借りたり、もう一人還暦で息子家族と同居し肩身の狭い元花屋の香織が加わって、そこからクリスマスに開催される同人誌即売会に向けて行動を起こす三人をガンバレ~!って応援する私だった。『今を楽しみ尽くす令和の還暦小説』ふふ。2023/05/16

のぶ

137
同じ世代に近い自分として、身につまされるような小説だった。主人公の可南子もうすぐ60歳。独身で仕事も定年退職が迫っている。冒頭に地元で開かれた同窓会で中学時代に親しかった芳美と再会する。芳美にも現在に至るまでの人生はあったが、この町で同居して一緒に暮らさないかと誘われて考えた末に都会を離れる一大決心をする。そこに還暦で息子家族と同居し肩身の狭い元花屋の香織が加わって新しい生活が始まる。暇を持て余しがちのこの世代で彼女らの生き方はとても充実したものに写っていた。これから先も良い毎日が続くと良いのだが。2023/06/25

みかん🍊

105
独身で仕事一筋だった可南子は定年を迎え、趣味もなくこれから何をすればいいのか途方に暮れるなか中学の同窓会で親しかった芳美と再会、子育てを終え夫を亡くし一人暮らしの芳美の家で同居する事になる、丁寧な暮らしではなく漫画を読み漁る生活、散々働いてきた二人が好きな事をし助け合って暮らす、近所の不登校中学生や未亡人の香織も加わり漫画を通じ交流していく、定年後と言っても昔と価値観も考えも違う、今の親世代は老後を子どもに頼ろうとは思っていない、長い老後男女問わず気の合う人と繋がれたらいい、とても楽しい読後感でした。2023/07/14

ネギっ子gen

99
【少女漫画というのは、魂で触れ合えるただ一人との、関係性を描くもの】JDさんのレビューに惹かれて。文章は好み。内容も頗る面白かった! なにより、漲る“少女漫画愛”。尊い! 独身で還暦を迎えた可南子は、友人・芳美から一緒に暮らさないかと誘われる――。<還暦後の長い時間が、すべて自分のものだなんて恐ろしすぎる。なにかで埋めなきゃ間が持たない。そう感じていたからこそ、可南子たちは互いに手を取り合ったのだった。だから可南子は芳美に流されて一日中漫画を読んでしまっても、「今日はそういう日」と割り切ることにした>。⇒2023/08/02

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