内容説明
Netflix映画『聖なる証』の原作小説、待望の邦訳刊行!
1859年、アイルランドの田舎町に英国人看護師リブ・ライトが訪れる。
リブはクリミア戦争の従軍看護師で、ナイチンゲールに師事していた。
彼女に課されたのは、絶食を続けているにもかかわらず健やかに生き続け、奇跡の少女と名をはせるアナ・オドネルを二週間観察することだ。
医学の訓練を受けたリブは奇跡など信じず、ひみつを暴こうと必死になるが何の糸口も見つからない。
少女はほんとうに奇跡の存在なのか? 少女はいったい何者なのか?
リブがアナを「救うべきひとりの患者」として見つめ始めたとき、さまざまな人間の思惑が 明らかになる。
少女の生存に必要なのは、信仰か科学か、それとも……?
喪失と人間の再生、愛の形を描く歴史フィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんやん
31
ジャガイモ飢饉から数年後のアイルランド、一人の看護婦がロンドンから貧しい泥炭地帯を訪れる。彼女のミッションは、四ヶ月間食事をとっていないという11歳の女の子を2週間監視し、奇跡かフェイクか判定するというもの。ナイチンゲールの弟子であるヒロインの理性的態度は、信心(迷信)深く蒙昧な地元民の反発を買う。やがて少女は衰弱してゆき、看護婦はこの監視状態が子どもを飢えさせているのではないかとジレンマに陥る。どうです、面白そうでしょ?面白いです。『部屋』同様、先ず状況設定が非凡。ミステリ仕立てで実に読ませる。 2023/09/17
ケイトKATE
28
主人公リブ・ライトは、ナイチンゲールの元でクリミア戦争の従軍看護師をした経験を持っていた。1859年リブは四ヶ月も食べずに生きる少女アナ・オドネルの観察を依頼され、アイルランドに渡った。看護師として客観的に観察するリブは、敬虔なカトリック信者として絶食を続けるアナに違和感と周囲に対し疑惑を抱く。『聖なる証』は、絶食するアナの謎に迫るだけでなく、ジャガイモ飢饉によって荒廃し、カトリック教会の思想に凝り固まったアイルランド社会の犠牲となる人々を描いている。人間社会に看護は必要な存在であることを突きつけてくる。2023/05/22
まこ
6
登場人物たちの中にある価値観や固定観念。アナと彼女を取り巻く大人たちのゆがみが目立つ。が、リブがN女史に抱いている複雑感も囚われとなっている。自分が持っていた常識を取り払って現われた真実の恐ろしさと、〇イ被害に遭った側が悪いとされている風潮にメスを入れる。2024/10/23
おだまん
6
家族って?愛って?宗教って?ミステリー仕立てでぐいぐい引き込ませながらめちゃ考えさせられる。映画観たいな。2023/06/11
はこぶね
4
映画では気づかなかったリブの心境や周りの人物の行動の理由がはっきりとしたのでそれが気になって先へ先へと読み進めた。長いことリブがアナのことを心の内でめちゃんこ罵っているのに驚いた。映画では結局わざわざリブをイングランドから呼び寄せた理由があんまり理解できなかったけど、委員会が一枚岩でないことやマクブレティが自身の論に箔をつけたかったということがわかってすっきり。マクブレティにしろアナにしろその母にしろ、度の過ぎた盲目的な思考や行動をしていて、そこがリアルにも気味悪くも思う。2024/03/16
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