内容説明
フランスでは人種・宗教・民族に関係なく市民を平等に扱う「共和国モデル」に基づき、移民はフランス社会に統合されると考えられていた。そんな中で、ムスリム・マイノリティはなぜ安全保障上の脅威として「構築」されていったのか。「安全保障化」をキーワードに、日常にひそむ包摂と排除の政治を浮き彫りにしていく。
目次
序章 「移民」は安全保障に関わるのか
1. 人の国際移動は「脅威」なのか
2. 「移民」とは誰を指すのか
3. 本書の意義
4. 本書の構成
第1章 人の移動をめぐる政治
1. 人の移動と政治理論
2. フランスと移民
第2章 安全保障化という分析視角
1. 安全保障研究の地平
2. 安全保障化論――コペンハーゲン学派とパリ学派
3. 安全保障研究と実践論的転回
第2章補論 安全保障の権力と知
1. 国際関係論をめぐる批判的問い
2. 安全保障化論が依拠する認識論
第3章 移民の安全保障化
1. 安全保障化に関与できるのは誰か
2. サルコジ法以降の移民の安全保障化
3. 移民の安全保障化とオーディエンス
4. 安全保障を支える制度と日常的な実践
第4章 安全保障の語り手とメディア
1. 安全保障においては国家が中心なのか
2. メディア・フレームと安全保障化
3. フランスの「対テロ戦争」――シャルリ・エブド襲撃事件とパリ同時多発襲撃事件
4. マスメディアと安全保障化
第5章 排除と包摂の政治――安全保障化におけるライシテの動員
1. 守られるべき「我々」と,排除されるべき「彼ら」
2. 世俗化への挑戦
3. 立法化への要請
4. 政界におけるライシテ言説
第6章 安全保障化への抗い――脱安全保障化の実践
1. 脅威の解体に向けて
2. 安全保障化への対抗
3. 脱安全保障化とレジリエンス――ライシテ監視機構の活動
終章 安全保障という政治が行き着く先
1. 安全保障化から脱安全保障化へ
2. 今後の課題に向けて
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引
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