内容説明
人が知識、身体、こころを持った存在であることの理解は、さまざまな相互行為上の実践を通して可能になる。エスノメソドロジー・会話分析が示してきたその洞察を、社会学、言語学、哲学といった異なるバックグラウンドを持つ執筆者たちがそれぞれに引き受け、実践の論理を描く相互行為分析の豊かさをデモンストレートする。
目次
各章のトランスクリプト記号について
序 章 実践の論理を描く[小宮友根]
第I部 相互行為のなかの知識
ナビゲーション1
第1章 質問に対する2つ(以上)の応答──応える権利・義務の諸相[早野 薫]
第2章 職業訓練活動における雑談の組織化──利用者と支援者による話題展開と参加のプロセス[岩田夏穂]
第3章 合意形成における経験,知識,権利──住民座談会の事例をもとにして[黒嶋智美]
第4章 「科学」について実践学的に考える──論理文法分析を道標として[中村和生・水川喜文・五十嵐素子]
第5章 計画はいかにして修正されるのか──放射線量の可視化と空間の構造化[須永将史]
第6章 診療におけるアジェンダの協働的産出──大学病院における全人的医療の実践[串田秀也]
コラム 言語学とEMCA[早野 薫]
第II部 相互行為のなかの身体
ナビゲーション2
第7章 再現身体と仮想身体──裁判員裁判の評議における身体の構造化実践[小宮友根]
第8章 サッカー指導場面での「身体的実演」に見られるコーチと選手の相互行為[林 誠・安井永子]
第9章 「学習の達成」に志向した教示作業のデザイン[五十嵐素子]
第10章 同一性と身体性──インストラクションとインストラクションを模倣すること[荒野侑甫]
コラム 哲学と実践の論理[山田圭一]
第III部 相互行為のなかのこころ
ナビゲーション3
第11章 インターホンに対応する──救命救急センター病棟における知覚の編成[前田泰樹]
第12章 レッスンのなかで見るということ──哲学とエスノメソドロジーの交差点[山田圭一]
第13章 意思決定過程における感情表出について[川島理恵]
第14章 地域精神医療の実践の論理──カンファレンスの検討から[浦野 茂]
第15章 「もうゲームはおしまいなんだけど」──定型発達児と自閉スペクトラム症のある子どもによる定式化の交渉[高木智世]
コラム 社会学と実践の論理[前田泰樹]
おわりに[黒嶋智美]
参考文献
索 引
編者・執筆者略歴
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