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内容説明
【内容紹介】
『なぜ人と組織は変われないのか』『ティール組織』などの書籍の刊行により、成人がどのようなプロセスとメカニズムで成長していくのかを扱う成人発達理論が少しずつ人材開発や組織開発に取り入れられつつある中で、その理論が成長を促すというよりも、成長を強要する形で利用されるケースが見られるようになってきました。
さらには、組織からの成長の圧力のみならず、自らを成長に駆り立てることによって、うつや過労死といった成長疲れとも言える状況に陥っている人たちも多く見られるようになってきました。
そうした状況を鑑みて、本来健全な成長を促すための成人発達理論がどのような社会的な風土や仕組み、特に新自由主義的資本主義が遍満するようになった日本において不本意に活用されてしまっているのか、また私たちに成長疲れを引き起こす社会的な要因は何なのを分析し、そうした状況の改善と成長疲れからの解放に向けた実践的な処方箋を提示していきます。
【目次】
第1部 成長疲労社会への処方箋
第1章 新自由主義的社会が生み出した弊害
第2章 成長疲労社会からの脱却
第3章 発達理論から真の成長を考える
第2部 透明化する社会への処方箋
第4章 デジタル環境下における管理社会
第3部 資本主義批判の中での成長への実践
第5章 悪魔的資本主義における成長第3の道
第6章 資本主義の矛盾とポストコンベンショナルな思考
終 章 「成長疲労への処方箋ワーク」の発展的活用法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たくみくた
4
40冊目。健全な自我の発達とは、自己中心性の縮小であり、逆に言えば利他性の拡大。それは飽くなき形で自我を肥大化させ続けていくことではない。新自由主義的社会は、私たちを飽くなき成長に駆り立てるが、真に自我を発達させていくというのは、そうした成長衝動を対象化し、それを手放すことにある。それは何も成長を放棄するという意味ではなく、盲目的に成長に向かって邁進することをやめ、自分や社会の中で何の成長が本当に求められているのかを考え、 「量的成長からの脱成長を通じた質的成長」の実現に向かって歩みを進めることを意味する2023/08/16
くまの
0
正直自分には合わない本だった。 色々なことに追われ続け、自己の成長を追い求めるが故に心が疲弊していく。それから脱却する為には何もせず"人間らしく"ゆったり生きよ、そんな内容だったが、まず人間らしいとはどこから来たのか、人間はそんな高貴な生き物なのか節々引っかかる。労働のために生きるなはわなるが、本当にそんな牧歌的な生活を現代人は求めているのだろうか。疑問しか残らない本。2024/01/09