内容説明
1988年、ポーランドのスパイは米国との連携を模索し始め、期せずして同じころCIAもポーランド諜報部のドアをたたいた。機密解除文書、政治家、スパイへのインタビューを元にありえない同盟締結、NATO拡大の過程を詳細に描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
111
「スパイだって人間なんだ!」と叫ぶ男たちの実録。ソ連の属国と化した祖国に強い不満を溜め込んでいたポーランドの秘密情報部員は、冷戦時代からCIAと少しずつ交流し関係を築いていく。ソ連崩壊後のポーランドはロシアに対抗するためNATO加盟を画策するが、そのため今度はアメリカの機嫌を取らねばならなかった。イラクからCIA要員を脱出させ、国内にテロ容疑者収容所設置を容認して、ようやくNATO加盟を実現した。しかし実務を担ったスパイに対し、過去の清算を求める政治は容赦なく弾圧を加える。理想主義者は常に報われないのだ。2023/08/25
kan
21
冷戦から現代まで、特殊作戦に関わるスパイの群像劇で、大量に出てくる人名に混乱しつつ大変興味深く読んだ。ポーランドの諜報能力の高さとアメリカの51番目の州と呼ばれる同盟関係、アメリカの細やかすぎて恐ろしい友好国拡大作戦、海外米軍基地と外国政府管理施設の捕虜勾留機能の使い分けなど、いろいろ闇すぎて怖い。湾岸戦争時にポーランド人に擬装したCIAオフィサーがイラクから脱出する作戦は面白い。CIAでもポーランド語は難しいらしい。以前CIAの外国語習得方法の論文で紹介されていた訓練法が徹底的で驚いたことを思い出した。2023/11/05
takao
2
ふむ2024/06/17
kincyan
2
アクションスパイものかと思って借りたが、どちらかといえばノンフィクションの本だった。ポーランドの情報機関がCIAとの対立から協力関係に至る道筋を絡めながら、ポーランドの近・現代史を学ぶことになる。ウクライナの支援にポーランドは熱心だが、それは彼らがロシアに近いということもあるが、ソ連からの脱却の経緯にも由来するようだ。ウクライナのことは他人事とと思えないのだろう。 http://blog.livedoor.jp/liveokubo/archives/52384759.html#more2023/09/22
hoven
2
大国に挟まれた国は大変。第三章からが面白い。なんとしてもNATOに入らないといけないポーランド。ロシアのウクライナ侵攻を見れば、その努力は報われただろう。汚れ仕事、アメリカにはしごを外され、CIAでもしない仕事をし、無理難題をアメリカに要求される。2023/06/17
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