内容説明
依存症は「病気」なのか? アルコール依存症から回復した精神科医が、圧倒的な筆力で概念の変遷から対策の歴史までを詳らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
61
【依存症を乗り越えて、ではなく、依存症と共に歩む】 司法精神医学と生命倫理学の研究者で、アルコール依存症から回復した精神科医が、薬物と人類の攻防の歴史を描いた書。巻末に監訳者(松本俊彦先生)長文の解題。註と索引。原書は2022年に、訳書は23年刊。強く推す。監訳者は書く。<米国の依存症対策のあり方を俯瞰的かつ中立的にサマライズし、対策の問題点を鋭く指摘した、一線級の学術資料としての価値がある。/依存症の治療・支援はもとより、政策の企画・立案、さらには啓発や報道にかかわる者すべてにとっての必読書>だ、と。⇒2025/12/29
やいっち
54
感想はブログ日記にて: http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2024/02/post-48c585.html 2024/02/20
くさてる
30
アルコール依存症となり、その流れから覚せい剤を服用し精神病院に入院するまでになった精神科医による、依存症と人類の歴史についての一冊。自身の回想が挟み込まれる構成になっていて、厚い一冊だけど飽きずに読めました。依存症自体に取り組む道筋は長く、決定的な答えは存在しない。国や文化によっても扱いは違うと思うし、一方的な禁止や弾圧は役に立たないことは明白。ですが、やはり生活と人生を破壊する可能性が高いものであることには間違いないわけで、難しい、本当に難しい課題だと思いました。2023/09/13
タキタカンセイ
7
アルコール依存症になった精神科医による米国の依存症「治療」史。著者本人の生々しい体験、医師として目撃した依存症患者の姿、そしてアメリカという社会がどのように依存症の人びとを扱ってきたかという歴史、この三つの「物語」が互いを照射していて大変に興味深い。依存症は、薬物やアルコールそのものの問題ではなく、結局その人に内在するもの欠落感や衝動の問題である、という「結論」に毎日チューハイ2本飲む自分も深く頷いたのでありました。2024/02/14
バーニング
6
自身も元依存症患者であったという個人史的なエッセイと、近代以降の依存症の治療や刑罰の歴史を織り交ぜた一冊。元当事者であり現在は精神科医として治療者にあたる著者の視点は治療する側とされる側の双方の経験を持つ強みがあり、非常に冷静に歴史を観察していることもよくわかる一冊だ。刑罰的な厳しさと、経済的なコストの低い治療プログラムを両立してきたアメリカは松本俊彦の言うように政策的には後進国なのだろう(p.342)。オバマ政権でようやく好転したようだがトランプ政権第2期ではまた後退しかねないのが難しいところである。2025/04/12
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