内容説明
ロボットや自動車が自動走行を行うために不可欠な「自己位置推定」について,その頑健性や信頼度などのさまざまな問題点に対して,枠組みを拡張,もしくは新しい手法を導入し,高性能化することで,それらの問題解決を目指した一冊。
目次
1. 自己位置推定およびその高度化について
1.1 自己位置推定およびその高度化
1.2 本書で扱う手法
1.3 本書の構成と内容
1.4 まとめ
2. 開発環境構築とシミュレータ
2.1 開発環境構築
2.1.1 開発環境の構築
2.1.2 ALSEduのインストール
2.2 シミュレータの概要
2.2.1 ロボットの構成
2.2.2 シミュレータの起動の確認
2.2.3 シミュレータの中身の確認
2.3 まとめ
3. 数学的基礎
3.1 確率の基礎
3.1.1 確率分布
3.1.2 期待値と分散
3.1.3 同時確率と条件付き確率
3.1.4 加法定理,乗法定理,全確率の定理,ベイズの定理
3.2 グラフィカルモデル
3.3 ベイジアンネットワーク
3.3.1 条件付き独立性
3.3.2 有向分離
3.4 マルコフ確率場
3.4.1 マルコフ確率場の因数分解
3.4.2 ポテンシャル関数の具体例
3.4.3 一直線のマルコフ確率場
3.5 まとめ
4. 自己位置推定の定式化と動作モデル,観測モデル
4.1 自己位置推定の定式化
4.1.1 グラフィカルモデル
4.1.2 定式化
4.2 動作モデル
4.3 観測モデル
4.3.1 観測の独立性の仮定
4.3.2 ビームモデル
4.3.3 尤度場モデル
4.3.4 その他の観測モデル
4.3.5 自己位置推定はなぜ環境変化に対する頑健性を保てないのか
4.4 まとめ
5. モンテカルロ位置推定の実装
5.1 モンテカルロ位置推定
5.1.1 パーティクルフィルタ
5.1.2 動作モデルによる更新
5.1.3 観測モデルによる尤度の計算
5.1.4 自己位置の推定
5.1.5 リサンプリング
5.2 モンテカルロ位置推定の実行
5.2.1 実装例
5.2.2 実行と位置推定の結果
5.3 モンテカルロ位置推定の拡張
5.3.1 適応的なパーティクル数の決定
5.3.2 誤収束の認識と復帰
5.3.3 動的障害物を観測している観測値の棄却
5.4 まとめ
6. 自己位置と観測物体のクラスの同時推定
6.1 グラフィカルモデルと定式化
6.1.1 グラフィカルモデル
6.1.2 定式化
6.2 自己位置と観測物体のクラスの同時推定の実装
6.2.1 ラオ・ブラックウェル化パーティクルフィルタ
6.2.2 処理手順
6.2.3 尤度計算
6.2.4 knownの場合の観測モデル
6.2.5 unknownの場合の観測モデル
6.2.6 C_tの事前確率
6.2.7 クラス条件付き観測モデルによる尤度計算の実装例
6.2.8 センサ観測値のクラスに関する確率分布の推定
6.2.9 センサ観測値のクラス推定の実装例
6.3 自己位置と観測物体のクラスの同時推定の実行
6.3.1 実行
6.3.2 尤度分布の比較
6.3.3 棄却性能の比較
6.3.4 欠点
6.4 汎用的クラスを用いた自己位置推定法への拡張
6.4.1 汎用的クラスを導入することの難しさ
6.4.2 クラス情報を活用した尤度計算モデル
6.5 関連研究
6.6 まとめ
7. 信頼度付き自己位置推定
7.1 グラフィカルモデルと定式化および信頼度の解釈
7.1.1 グラフィカルモデル
7.1.2 定式化
7.1.3 信頼度付き自己位置推定における信頼度の解釈
7.1.4 信頼度と確信度
7.2 信頼度付き自己位置推定の実装
7.2.1 処理手順
7.2.2 信頼度遷移モデル
7.2.3 判断モデル
7.3 信頼度付き自己位置推定の実行
7.3.1 正誤判断分類器の学習の実行
7.3.2 実行
7.3.3 信頼度推定の結果
7.3.4 性能限界
7.4 関連研究
7.5 まとめ
8. センサ観測値と地図間の誤対応認識
8.1 観測の独立性
8.1.1 観測の独立性を仮定することの必要性
8.1.2 観測の独立性を仮定することの問題
8.1.3 観測の独立性の仮定の正しさ
8.1.4 自己位置推定の性能保証の観点から見たSLAMの重要性
8.2 センサ観測値全体の関係性を考慮した誤対応認識
8.2.1 未知変数全結合型のマルコフ確率場のグラフィカルモデル
8.2.2 定式化
8.3 誤対応認識の実装
8.3.1 グラフィカルモデルにおける変数の物理的意味
8.3.2 尤度ベクトル
8.3.3 二つの未知変数がなすクリーク上のポテンシャル関数
8.3.4 事後分布の推定
8.3.5 事後分布推定のプログラムによる実装
8.3.6 自己位置推定失敗の検知
8.3.7 自己位置推定失敗の検知のプログラムによる実装
8.3.8 全結合の意味と注意点
8.4 誤対応認識の実行
8.4.1 実装例
8.4.2 プログラムの実行
8.4.3 性能限界
8.5 関連研究
8.6 まとめ
9. One-shot自己位置推定とMCLの融合
9.1 One-shot自己位置推定
9.2 誘拐状態の検知と復帰およびそれらの課題
9.2.1 誘拐状態の検知
9.2.2 センサリセット
9.2.3 膨張リセット
9.2.4 誘拐状態の検知・リセットの難しさ
9.3 深層学習を用いたOne-shot自己位置推定とMCLの融合
9.3.1 重点サンプリング
9.3.2 深層学習の予測の不確かさ
9.3.3 重点サンプリングを介したOne-shot自己位置推定の融合
9.4 One-shot自己位置推定とMCLの融合の実装
9.4.1 One-shot自己位置推定からサンプリングされたパーティクルの尤度計算
9.4.2 尤度に従った自己位置の推定
9.4.3 リサンプリング
9.5 One-shot自己位置推定とMCLの融合の実行
9.5.1 実装例
9.5.2 実行結果
9.5.3 性能限界
9.6 関連研究
9.7 まとめ
10. 自己位置推定の高性能化に向けて
10.1 環境変化に対する自己位置推定の頑健性
10.1.1 頑健性保証の難しさ
10.1.2 頑健性向上のためのアプローチ
10.1.3 観測モデルに関するさらなる発展
10.2 自己位置推定結果の信頼度
10.2.1 自己位置推定結果の確信度と信頼度
10.2.2 信頼度推定のためのアプローチ
10.2.3 より正確な信頼度を推定するために
10.3 自己位置推定結果の正誤判断
10.3.1 センサ観測値と地図間の誤対応認識
10.3.2 誤対応認識のアプローチ
10.3.3 より正確な誤対応認識
10.4 誘拐状態からの復帰
10.4.1 誘拐状態の検知と復帰の難しさ
10.4.2 誘拐状態からの復帰アプローチ
10.4.3 より正確な誘拐状態からの復帰
10.5 まとめ
引用・参考文献
索引