ちくま新書<br> 健康寿命をのばす食べ物の科学

個数:1
紙書籍版価格
¥946
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

ちくま新書
健康寿命をのばす食べ物の科学

  • 著者名:佐藤隆一郎【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2023/04発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480075499

ファイル: /

内容説明

健康食品では病気は治せない? 筋肉を維持し老化を防ぐ食べ物とは? 腸内細菌を上手にコントロールするには? ふだんの食事をほんの少し工夫するだけで、こんなに元気になる! 複雑な代謝のメカニズムから、丈夫な骨格のしくみ、本当に必要不可欠な栄養素まで。食品生化学の第一人者が最新データと科学的エビデンスをもとに、健康に長生きするための食事と生活習慣のコツをわかりやすく解説。間違った情報にまどわされず、今日の食事を自分で選びとるための食の科学。

目次

はじめに
第1章 平均寿命ってなんだ?/1 延びゆく平均寿命と健康寿命の関係/波平さんって何歳?──平均寿命の推移/健康寿命とは/平均寿命と健康寿命の差/2 高齢化社会が抱える多くの問題/超・超高齢社会の到来/東アジア地域の国々の高齢化/増加し続ける国民医療費/高齢者の社会参加と健康寿命/3 介護されないために必要なこと/高齢者介護の原因はなに?/介護開始時期を遅らせるには生活習慣病に罹患しないことが大事/加齢とともに低下する身体機能維持能力/第2章 脂質摂取過剰は危険!──生活習慣病が急増した理由/1 日本人の食生活の急激な変化から見えてくるもの/東京大学で食にまつわるサイエンスを展開する唯一の研究科/戦後日本で生活習慣病が急増したのはなぜ?/日本人の食生活の変遷/魚介類の摂取減少による影響/2 脂質過多な食生活は日本人に何をもたらしたか/沖縄県の平均寿命の変遷/沖縄県民に見られる肥満と脂肪摂取過多/脂肪由来のエネルギー比率が高めの現代人の食生活/生活習慣病の原因は脂質代謝の破綻/3 脂質代謝のメカニズム/トリグリセリドはどのようにして消化・吸収されるのか/脂肪組織・脂肪細胞での脂肪酸の取り込み/脂肪細胞における脂肪蓄積・脂肪分解/コラム倹約遺伝子/4 脂質摂取過多による生活習慣病を防ぐには/脂肪酸酸化(燃焼)はどのようにして起こるか/メタボリックシンドロームと動脈硬化/第3章 人類の進化は食べ物が引き起こした/1 食とともに発展した人類の歴史/人類と食の強い結びつきとは/人類は食料調達の必要から二足歩行をするようになった/人類は脳の容積を巨大化させるのに成功した唯一の動物/火による加熱調理が脳の巨大化に貢献──調理仮説/2 農業・牧畜による食料生産の安定化/農業開始による人口爆発/牧畜による食料生産とヒト/3 ミルクにまつわるサイエンス/ミルクと乳糖不耐症/ミルクにだけ含まれる糖質・乳糖に秘められた仕掛け/北欧に起源する民族だけが成人後も乳糖を消化できる理由/一塩基置換がなぜ乳糖耐性となりうるのか/古代における乳糖不耐症──アイスマンの素顔/コラム農耕民の健康/第4章 食品には三つの機能がある──機能成分の可能性/1 食品が持つ多彩かつ豊かな機能/コロナ感染防止のための黙食・個食/食品の一次機能とは──必要不可欠な栄養素の供給/コラム鈴木梅太郎物語/食品の二次機能とは──旨味の発見/出汁の重要性/食品の三次機能とは──機能性食品の創製/2 自ら食品を選びとることの重要性/「そもそも食品に機能成分は含まれているの?」という疑問に答えて/カフェインで眠れなくなるのは/健康食品についてのガイドライン/第5章 コレステロールの真実──脂質代謝の乱れと生活習慣病/1 コレステロールの役割とそのメカニズム/食事由来のコレステロール/コレステロールの生理的役割/植物ステロールはコレステロール吸収を抑制する/肝臓で大量に合成されるコレステロール/コラムコレステロール研究による二人のノーベル賞受賞者/2 コレステロール代謝についての画期的な発見/LDL受容体の発見/生体内で起こるネガティブフィードバック制御/3 日常の食生活でコレステロールをコントロールするには/LDL受容体の発現を制御する因子の発見/転写因子SREBPの驚くべき活性化機構/精密に調節されているのにLDLコレステロール値が上昇する理由/食品成分でコレステロール・脂肪酸代謝を調節する試み/LDLコレステロールをコントロールするには/コラムスタチン開発/第6章 大豆はすごい!──健康寿命と食品/1 大豆は優れたタンパク質源/なぜ大豆は畑の肉と称されるのか/大豆タンパク質の高い栄養価/大豆に含まれるイソフラボンとは/大豆イソフラボンの女性ホルモン様活性/2 骨粗しょう症と脂肪肝にも有効/骨代謝と大豆イソフラボン/大豆タンパク質の驚くべき代謝改善機能/隠れ脂肪肝が危ない/3 βコングリシニンの驚くべき効果/脂肪肝予防効果を持つ大豆タンパク質βコングリシニン/βコングリシニン摂取による遺伝子発現の劇的な変化/βコングリシニンが脂肪肝を予防する機構とは/4 脂肪細胞のメカニズム/白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞/種々の代謝制御因子を分泌する白色脂肪細胞/コラム納豆讃歌/第7章 早歩きは長寿命!──長寿を支える筋肉/1 運動は長寿をもたらす/早歩きは長寿命──下半身の筋肉の重要性/運動の効果はカロリー消費だけでは説明できない/2 AMPキナーゼを活性化させるには/AMPキナーゼの脂質代謝改善機能/AMPキナーゼの糖代謝改善機能/AMPキナーゼは食品成分によっても活性化される/3 健康寿命を延ばすには骨格筋量の維持が重要/骨格筋量はいかにして調節されるのか/筋量を制御するさまざまな成分/新たな筋量制御機構/4 胆汁酸受容体TGR5の可能性/胆汁酸と胆汁酸受容体TGR5/胆汁酸受容体による筋量の調節/骨格筋における胆汁酸受容体TGR5の役割/筋量増加効果をもつ機能性食品成分の探索──私たちの試み/第8章 この食品が健康寿命を延ばす!──食習慣から変える/1 腸内フローラを彩り豊かに保つには/長寿者の腸内細菌叢/腸内細菌の役割/食物繊維と腸内細菌/善玉菌ビフィズス菌を増やす母乳オリゴ糖/腸内細菌が食品成分の機能を高める/2 老化と向き合うには/老化ペースには個人差があり、若い時期から老化は進む/老化とは──老化細胞の出現/老化細胞の除去──セノリシス/抗老化作用をもつ食品成分セノリティクス/3 健康寿命を延ばすための食のアドバイス/運動機能性食品開発の展望──「運動をする」から「運動を食べる」に/老化を遅らせ健康寿命を延ばす食習慣・食品は?/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

209
2019年の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳。健康寿命を伸ばす研究成果を、かなり専門的に解説します。自分の身体の中で、いろいろな器官がこんな働きをしているのかと感心します。抗老化作用を持つ食品成分セノリティクス(この言葉がもうすぐ流行語になるかもしれません)が紹介されてます。結局すでによく言われているものなんですけど、豆類(納豆)、玄米、ナッツ類、食物繊維(イモ類·豆類·海藻類)、ヨーグルト、乳·卵製品、魚介類、色のついた野菜、果物、コーヒー、緑茶、赤ワイン。2023/06/24

Asakura Arata

5
科学者が書いたものだけあって、遺伝子レベルまでの科学論文的記載なので、とても難しかった。科学的なところは緻密なのだが、肝心の我々の生活に直結するような情報はありきたりのものだった。2023/04/19

kamekichi29

4
科学的な説明は結構詳しくて、ついていけないところもあって流し読み。大豆をとって、食物繊維の多いものをとって、ウォーキングするのが良さそうです。2024/04/15

烏龍茶

3
健康寿命を伸ばすための食べ物について、そのメカニズムから詳細に解説している。結論はシンプルで健康に生きるための食事の知識を得るのにとても参考になったのだけど、結論に至るまでの説明がやや難し過ぎる感じがした。専門用語が多数用いられるため、読み進めるだけでも一苦労、理解するなんてのは以ての外で、正直読み飛ばしてしまった部分も沢山ある。タイトルからは想像しにくいが、研究者向けの専門書といってもよさそう。ただし論文といわけではないので、研究者が参考文献とすることはできないかもしれない。2025/01/30

3
◯本書全体を通じて、そんなに細かく専門知識を並べて結局何が言いたいの?って感じ。別に常識的な結論を全く出ない割に、各章が研究論文並みの細かさで書かれているので、誰が読むのこれって感じの本。自分の研究や知識をまとめたいのは分かるが、もっと読者のことを考えた文章にして欲しい。いやこれはむしろ文章を是正しなかった編集者の責任だろう。著者はコラムや図表を頑張っていて、決して読者を無視していない。2024/04/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/20955880
  • ご注意事項

最近チェックした商品