内容説明
兼好法師は鎌倉時代の終わりから南北朝時代の初めごろに活やくした人物で、『徒然草』の作者として知られています。
『徒然草』の見どころは、兼好法師なりの世の中についての考えや、どう生きていくのかのヒントがつまっているところ。鎌倉幕府がほろび、大きく変わろうとしていた時代だからこそ、移りかわる世の中におもしろさを見出しています。
低い身分に生まれながら、豊富な知識を生かして、自分の能力で世の中を渡っていった兼好法師。
その簡単な伝記と、代表作『徒然草』や和歌、鎌倉時代の文化についてしょうかいします。
この1冊で、兼好法師と『徒然草』がわかる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Take@磨穿鉄靴
29
兼好法師と徒然草をテーマにしたイラストをふんだんに使ったもの。イラストが今風で見やすい。良い悪いの判断はさておき、兼好法師がどのような感性でいたのかを知る手掛かりになる。また老いて世捨て人となり庵に住まうスタイルは死に対する人生をかけた美学の集大成のような気がした。そのためにはあらゆる執着を手放さなくてはならない。今の自分にはまだ遠い境地だけど向かう先はそちらの方だと思う。★★★☆☆2023/04/17
ちい
4
質素な家で晩年は隠居生活をしていた兼好法師が、土地の売買を経て、しっかりと老後のインカムゲインを得ていたところが、今の時代のFIREブームに通じるなと感じた。そのくらいの心の余裕と時間があるからこそ、想いに耽って徒然草を残せたのかな。2024/02/23