講談社文庫<br> エンドロール

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講談社文庫
エンドロール

  • 著者名:潮谷験【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 講談社(2023/04発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065314876

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内容説明

『時空犯』でリアルサウンド認定2021年度国内ミステリーベスト10第1位に輝いた著者の、待望の長編!

202X年。新型コロナウイルスのせいで不利益を被った若者たちの間で自殺が急増する。自殺者の中には死ぬ前に自伝を国会図書館に納本するという手間をかけている者がいた。その数200人。共通するのは陰橋冬という自殺をした哲学者の最後の著書と自伝を模倣するということ。
早世したベストセラー作家・雨宮桜倉を姉に持つ雨宮葉は、姉が生前陰橋と交流があり、社会状況の変化から遺作が自殺をする若者を肯定しているという受け止められ方をしてしまったという思いから、自殺を阻止しようとするが……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

25
自殺は肯定されるべきか?否定するロジックは?というテーマに言及した現代日本を反映した小説。ウェルメイドがゆえ掘り下げが甘く、若い人向けな印象。主人公の亡姉へのシスコンっぷりに危うさがありストーリーの先を読ませない。弱者側にいる読者にとって自殺肯定派の言葉の方が届くから否定派の議論はどうなるのかとハラハラし、その決着はちゃんとつかずにモヤモヤ。中盤以降は自殺か他殺かを推理するミステリーになり、ちゃんと捻った真相が用意されているが、爽やかな読み心地にするための出来レースに感じてしまった。2024/03/18

24
コロナ禍で割りを食ったのは若い世代だけじゃないよなぁ。呪いを広めるのかと思っていたので違うのか、と途中で気づいた。勘違いでした🤣まあ今風でしたね。2023/09/15

おうつき

20
陳腐にも思える設定に真正面から向き合い、魅力的な作品を作り上げる作家だけど、今作は今ひとつ乗りきれなかった。ある哲学者の思想に触れ自殺肯定派になった若者達とそれを否定しようとする主人公という構図はよくできているし、それをミステリとしての謎に結びつけているのも巧い。ただ、一番最後のどんでん返しで主題がぼやけてしまったように感じ、もやもやした気持ちを抱えたまま読み終えることになってしまった。登場人物の中で好きなのは嵐。実際にいたら鬱陶しいかもしれないが、こういう人に救われることがあるのを実体験で知っている。2024/02/12

よっち

20
202X年。新型コロナウイルスのせいで不利益を被った若者たちの間で急増する自殺。哲学者・陰橋冬の著作を模倣する自殺を駆け出しの作家・雨宮葉が阻止するために動くミステリ。生前の姉と陰橋に交流があったことから、彼女の遺作に悪影響を及ぼさないよう事態の解決に動き出す葉。コロナ禍による不利益に絶望して自殺しようとする者たちとの対決、自殺者が目指していた真の目的を見つけ出そうとする中、時には苦悩しながらも辿り着いた真相があって、そして謎を解き明かしてみせた葉にもたらされる思ってもみなかった結末に救われる思いでした。2023/04/14

CCC

8
みんなそんな頭で考えた理屈だけで死のう死のうという気持ちになるかなあ、という疑問が始終つきまとってしまったのが正直なところ。ミステリとしての誠実さはあるし、思考実験として面白い部分もあったが……。2024/05/02

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