内容説明
「あまり気が進まないけれど」と前置きしつつ、日本が誇る世界的音楽家は語り始めた。伝説的な編集者である父の記憶。ピアノとの出合い。幼稚園での初めての作曲。高校での学生運動。YMOの狂騒。『ラストエンペラー』での苦闘と栄光。同時多発テロの衝撃。そして辿りついた新しい音楽――。華やかさと裏腹の激動の半生と、いつも響いていた音楽への想いを自らの言葉で克明に語った初の自伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
146
大好きな坂本龍一の自伝。幼い頃からやはり天才だったと実感。幼少期、学生期、青年期、熟年期の写真も掲載。坂本龍一がどんな下地で、何を考え、何を感じ、その時期、どんな気持ちで楽曲を書いたのかが理解できました。わたしがよく聞くenergy flowは5分くらいでサラサラっと作ったとあり、更にどうして売れたのかわからないと…ビックリです。YMO時代には他のメンバーと色々あった事はよく知っていますが、本人目線からはこう考えていた事も知れて納得です。教授の曲を再度、聴きたいと感じました。ご冥福をお祈りします。2023/09/15
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
78
坂本龍一さんの自叙伝。YMOの音楽に初めて出会ったのは二枚目の「Solid State Survivor」が出た頃だった。面白いというか、ポップスしか知らない私には衝撃的だった。坂本さんのこれまでの履歴を読むとクラッシックをベースに現代音楽、POPS、ROCK、JAZZ色んな音楽が彼のベースになっている事がわかるし、その度に多くの人との出会いがあったのだなぁと思った。ラストエンペラーのサントラの陰にはあんな苦労があったとは!もう彼の作る新しい音楽が聴けないと思うと残念でならない。★★★★2023/06/10
kokada_jnet
66
2009年刊行の坂本龍一の自伝的な本。「エンジン」編集長の鈴木正文によるインタビューが、2007年から同誌に連載されたものをまとめたもの。『ラストエンペラー』についての話が面白く。当初は坂本演じる甘粕正彦がハラキリする予定だったのを、「ハラキリなら自分は降板する」とまでいってベルトリッチを説得した。また、映画の音楽を担当する予定はまったくなく。撮影終了から半年たって、プロデューサーのジェレミー・トーマスに突然、頼まれ、中国音楽についての知識も事前にまったくないまま俄か勉強で、2週間で音楽制作させられた。2023/04/09
ちゃとら
63
【友プレ本】坂本龍一さんが亡くなってから、戦場のメリークリスマスとラストエンペラーが観たくてたまらない。ファンだったと言える程ではないけれど、昔馴染みが旅立ってしまったような寂しさを感じている。この本には2009年までの彼が詰まっていた。注意書きになっている部分が、とても懐かしかったり興味深かったりと楽しく読めた。最後まで彼が反対していた、明治神宮の再開発、私も反対です‼️2023/05/23
優希
56
まさに音楽の申し子という印象を受けました。音楽の才能と深い探究心で音楽と関わっていたのですね。YMOとして、ソロとして名曲の数々を残してきた坂本教授。もう新たな曲を聴くことができないのが残念でなりません。ご冥福をお祈り致します。2023/08/17