新潮文庫<br> 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)

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新潮文庫
「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)

  • 著者名:原武史【著】
  • 価格 ¥737(本体¥670)
  • 新潮社(2023/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101345826

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内容説明

なぜ小田急江ノ島線沿線にはカトリック教会や女学校が多いのか。JR阪和線沿線にはなぜ古代から現代までの歴代天皇の足跡が豊かに残るのか。JR山陽本線沿線の内陸部に多くの新宗教が発生したのはなぜなのか――。鉄路という「線」に沿い、地を這うように移動し、考えることで、歴史の死角に隠された地下水脈が発掘される。旅情をそそり、知的興奮のとまらない歴史紀行ミステリー・ツアー。(解説・山本理顕)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

70
小田急江ノ島線にカトリックの学校が多い理由、阪和線に見る古代と中世と近代、房総半島と日蓮、新宗教から見る山陽…。鉄道を横線とし歴史を縦線として地方地方の特色を浮かび上がらせる様は、まさに鉄道を行くといった趣さえ感じる。サブタイトルにある「鉄道と宗教と天皇と」とあるように、中心となっているのは著者の研究の中心を占める天皇について。それが関東にしろ近畿にしろ北九州にしろ、カトリックや新宗教と結びついて独特の風景を作り上げているのは非常に興味深く一気に読まさせられる。もちろん紀行文としても面白く読めました。2023/10/15

そうにゃん

28
現地に足を運び、丹念に歴史的な背景を掘下げていく著者の姿勢は健在で興味が薄い地域でも関心が持てた。紀行文なので読みやすいので、章立てを見て興味のある地域があれば手に取っていいと思う。ブ〇〇〇リ以上に地下水脈に辿れるまも。とはいっても読んで7割ぐらいの理解しかできなかったが…。「レットアローとスターハウス」がなかなか面白かったので本書を手に取ってみたが、最近新著も平積みでもよく見かけるので気にかけていきたい。2025/05/01

ピンガペンギン

23
著者の専攻は日本政治思想史。この本で鉄道で各地を巡りながらそこにある宗教施設、駐屯地などについての考察をしている。1,3章を読んだ。著者は日経新聞記者だったことがあり、昭和天皇病状の報告担当だったらしく、天皇制が研究テーマの一つらしい。聖心(みこころ)の布教姉妹会というカトリックの修道女会に「昭和天皇実録」を読んだことで興味を持ったという。確かにひんぱんに戦後間もないころに拝謁しているという記録がある。ドイツ人で日本に帰化した聖園テレジア(1890年生まれ)というシスターが、すごい方(能力、人望ある)→2023/10/21

ソラ

19
紀行エッセイは久しぶりに読んだかも。それこそ宮脇俊三さん以外で読んだの初めてかもしれない。阪和線や山陽本線、北陸本線、筑肥線は乗ったことのある路線なので特に情景が浮かんできて良かった。2023/05/03

浅香山三郎

13
原武史さんの本はそれなりに読んできたが、本書は『小説新潮』連載といふこともあつてか、紀行文の色彩が取り分けつよい書である。それゆへに、古代から近現代まで取り上げる歴史の幅も広く、行き先に因む食べ物の記述も、著者の思ひが滲み出てをり興味深い。「小田急江ノ島線とカトリック」、「軍隊が消えた街−旭川の光と影−」、「「裏」の山陽をゆく」、「聖母=ショウモから聖母=セイボへ」などの章は、原さんの是迄のお仕事との連関が強く、おもしろく読んだ。2024/04/08

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