内容説明
閉店が決まった洋菓子店で、なぜか店主と常連客のマダムがお菓子教室を始めることに。生徒はあなた一人だけ。参加条件は悩みがあること。一歩踏み出す勇気が持てない会社員にはタルトタタン、過保護で心配性な母親にはイートン・メス、失恋ばかりして落ち込む男性にはザッハトルテ……。あなたの悩みを解決する、美味しい人生のレシピ教えます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aoringo
86
潰れてしまった本格洋菓子店。お菓子作りをしながらたった一人のお客様の悩みを解決する。タルトタタン、ザッハトルテ、モンブラン、マカロン...どれもおいしそう!お菓子作りは自分と向き合える大事な時間。誰かに話すことで楽になることってあるかもしれない。何だか本当にカウンセリングのひとつにありそうだ。2023/11/17
ツン
77
主人公のパティシエール視点の小説なのだけど、その呟きに、なぜか探偵視点の小説の主人公の探偵(男性)が思い出される。いい終わり方だったので、次作が楽しみです。2023/12/30
坂城 弥生
35
リハビリとしてのお菓子作り。美味しそうでした。2023/04/18
煮豆
30
パティシエが主役のタイトル通り甘い香りが漂ってきそうなお菓子小説。最初のお話からガレット・ブルトンヌなんて大好きすぎるお菓子でテンションが上がる。専用オーブンシートシルパンを買うまでは!と思って作ったことはないけれど来年は作りたい。料理研究家の佐渡谷さんの世話焼き感?押し付け感?と主人公の白井さんのアッサリした感じがピッタリくる。みんな悩みを抱えて生きているけれどお菓子を食べると幸せになれるよね。レシピは定番のカトルカールがのっていたけどわたし的にはモンブランが作ってみたかったなぁ。続編も続けて読みます。2023/12/24
さくら★もち
30
悩みを抱えた人を少しだけ前向きにする、おかしなお菓子づくり教室の物語。パティスリーを閉店し途方に暮れるパティシエ・白井と、人の事情に絶妙な距離感(けっこうお節介?)で首を突っ込む料理研究家・佐渡谷。師弟であり、親友であり、母娘のような関係が羨ましい。家族や恋人との間にある特別なお菓子や食事の思い出は、時が過ぎるほど甘いけどほろ苦く感じてしまうものなのかも。自分で作ってみることで忘れかけていた何かに気づけたら素敵だな。そうだ、昔失敗したあのお菓子、もういちど挑戦して家族に食べてもらおうかな(*´艸`)2023/06/12